苦境を乗り越え転生するBlack Musicシーンが切り拓く、世界の音楽ビジネスの未来と道筋

DANTZ’(左)とRay Kirkのステージの様子


ー「ブラック・ミュージック」という言葉を能動的に使用した黒人音楽批評家のAmiri Barakaは、ブラック・ミュージックの中には「変わっていく同じもの」があると言っています。ブルースにしろジャズにしろ、HIPHOPにしろ、内包されている感情が深く響くブラック・ミュージックには、時代を経ても強く心に響くパワーがありますよね。

Mike:もともとブラック・ミュージックは悲しみや怒りだったりを発散するためにできた音楽です。黒人はアメリカでの生活の中でチャンスが少なかったり、苦労が多い。だから昔から変わらないハングリー精神を常に持っていて、それが音楽に内包されています。ジェイ・Z、カニエ・ウェスト、ドクダー・ドレー、ビヨンセなど、黒人のトップアーティストが輝いている一方で、まだまだものすごい数の黒人が苦しんでいる。トップアーティスト達も貧民地区からのし上がってきたからこそ、ハングリー精神が根底に横たわっているのだと思います。

ー今、日本人で注目しているアーティストはいらっしゃいますか?

Mike:日本人のアーティストはこれまでにたくさん見てきたのですが、仕事をするのはDANTZとKirkが初めてです。アメリカでブレイクさせるのに力を注ぎたいと思ったのは、2人が初めてですね。彼らは前述の“ウエストコーストっぽさ”を追い求めるアーティストとはまた違う。実験的でチャレンジングな彼らの姿勢が好きです。

ー実験的とは、具体的にどのようなことでしょうか?

Mike:セーフゾーン……。見慣れた景色に留まっていなくて、ヨーロッパを含め外の世界に出ようとしているところですね。もちろんこれから彼らのプロジェクトは大きくなっていくのですが、それを必ず成功すると信じて始めたというハングリー精神に強く惹かれたんです。

DANTZ:海外を意識して、欧米っぽいことを真似するのではなく、アジア人としてのアイデンティティを大事にしています。「Let You Go」の楽曲の中にも琴の音色でアジアらしさを出したり、邦楽的なメロディの感覚を取り入れています。そうした実験的なところを、Mikeも買ってくれているのかもしれません。


DANTZ

Mike:奇抜でないSafe music(安全な曲)は退屈なものになってしまいます。もちろんユニークだからいい曲とは限りませんが、いい曲はだいたいユニークですよね。

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