苦境を乗り越え転生するBlack Musicシーンが切り拓く、世界の音楽ビジネスの未来と道筋


ー2020年は様々な出来事が世界で起こりましたが、これまでに数々の黒人スターの活躍に貢献してきたMikeさんにとってBlack Lives Matter(以下、BLM)のムーブメントは切っても切り離せない問題だったのではないかと思います。


Mike:そうですね。私は若手のアーティストたちに対して「BLMが何であるか」を説いています。怒りに囚われている若者がとても多いんです。なので「メディアに支配されるな。人種に優劣があるわけではない、ただ均等であればいいのだ」と伝えています。暴力で暴力には勝てません。だから60年代のムーブメントを踏襲した平和的なプロテストを行うように大人たちがリードしているんです。そっちの方が圧倒的に影響力がありますから。戦争ではなくピースフルなプロテストが世界を変えるのだと教えています。

ーBLM運動の中で、音楽はどのような役割を果たすと考えていますか?

Mike:人の意見を聞かない若者も音楽を聞いている人は多いんです。音楽を通してリーチできるという点に関しては音楽は変わらず強いですね。


Mike Lynn

ーちなみにMikeさん自身が人生の中で、個人的に影響を受けた音楽やアーティストはいらっしゃいますか?

Mike:私はアーティストだけではなく、アスリートからも大きな影響を受けてきました。モハメド・アリ、マイケル・ジョーダン、マジック・ジョンソン……。アーティストですと、圧倒的にプリンスです。プリンスはみんなと違うことを、本当に自信を持ってやっていましたから。私がコンプトンからハリウッドに引っ越せる自信を得られたのは、プリンスのおかげですね。

ープリンスは、すごく愛に溢れている人ですよね。人種や国籍にとらわれない、もっと上のレイヤーの視点を持っているというか。広くて深い愛を感じます。

Mike:プリンスは何度かミーティングをしたこともありますが、とにかくクリエイティビティの塊のような人でした。人それぞれの個人性を重要視していて、本当の自由さを許容する愛がありました。

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