伊藤美来が語る「攻め」の背景、さらなる広がりを得たポップスの世界

Charaとのコラボレーション

─また、今作はラストにCharaさんの書き下ろし曲「vivace」が収録されています。

攻めた曲ですよね。でも、実は「vivace」はどこに入れようかと、置きどころに悩んだ曲でもあって。「BEAM YOU」から始まり「Good Song」でハッピーなエンディングを迎えるとなったとき、「Good Song」からちょっと空いてから「vivace」が流れることでより幸福感が得られるんじゃないかってことで、この流れになったんです。



─Charaさんにはどういった形でオファーしたんですか?

今回Charaさんには「女性らしくてちょっとセクシーな、大人っぽい楽曲に挑戦したいです」ということをお伝えしていて。かつ、Charaさんが持っている感性や世界観をしっかりと出してもらって、私とどう融合するのかを見せていきたいとスタッフさんが言っていたので、この曲が届いたときはとってもうれしかったですしね。

─歌うのが難しそうな曲ですよね。

本当に難しかったです(笑)。Charaさんらしさが前面に出ている楽曲で、これを私がどう歌っていけばいいのかなと考えながら歌いました。Charaさんとも何度も打ち合わせしましたし、プリプロもCharaさんのおうちでやらせていただいたし、レコーディングにも同席していただいて。私が緊張していると「このマイク、結構いいマイクだから、全然ちっちゃい声でも拾えるよ? もっと力を抜いて、囁くような感じでいいと思う」とか「最後のフレーズも、こうやってちょっと空けると可愛いかも」みたいに優しく教えてくださったんです。本当に私の声の良さを出そうとしてくださって、それがすごくうれしかったですし、私もそんなCharaさんのキュートさに癒されながら歌いました。

─こうやって1曲1曲を取り上げてじっくり聴き込むと、本当に難易度の高いことに挑戦しているアルバムだなと思うんですよ。

そう気づいてもらえるのがうれしいですし、それだけで救われます。

─良質なポップスって、実はそういう難易度の高いものをサラッと聴かせるような作品が多いですものね。

なので、「みんなカラオケで一回歌ってみ?」って思いますね(笑)。でも、本当におっしゃるとおりで、質のいいポップスはディレクターさんやスタッフの皆さんとずっとこだわってきたことなので、今後もこの楽曲の良さを伝えられたらいいなと思います。

─今年の10月でソロデビュー5年目に突入しましたが、“ソロアーティスト伊藤美来”の武器や強みは見つけられましたか?

自信を持って言えるのは、曲の質がとても高いこと。あとは、聴くことで背中を押してもらえたり、明日頑張ろうとかちょっと幸せになれたなとか、勇気をもらえたと思える楽曲たちというのも強みだと思っています。4年間続けてきたことで音楽的にもいろんな幅が広がってきましたが、芯はブレずにいたいので、軸はしっかりとあって、そこにちょっとずつ違ったお花を咲かせていくようなイメージで今後も続けていけたらいいなと思っています。

─まずはこのアルバムがいろんな人に驚きを与えると同時に、愛されていくことがベストですものね。

そうですね。一生懸命気持ちを込めて作ったアルバムなので、皆さんにとって特別な1枚になったらいいなと思います。

─年末にこういった素敵なアルバムを届けられたことで、2021年をポジティブな気持ちで迎えられそうですが、来年はどういう1年にしたいですか?

来年は初のツアーが3月に控えているので、まずはそこを成功させたいなと思いますし、皆さんが幸せになってもらえるようなコンサートを目指して準備していくのが大事かなと。基本的には聴いてくれている方、観てくださる方がちょっと楽しくなったとか、ちょっといい気分になったとか、そういうプラスの感情を与え続けられるアーティストでありたいなと思います。

─何か新しく挑戦してみたいことってありますか?

楽器をやってみたいなと思っていて。実はちょっとだけドラムを叩くお仕事があって、それをきっかけに電子ドラムを買ったんです。ただ、全然叩いていないので、来年こそはちゃんと始めたいなと思っています(笑)。

─環境は揃っているので、あとは気持ちさえそこに持っていければ。

そう、完全に私の気持ちの問題ですね。

─さっきの作詞の話じゃないですが、伊藤さんって環境が整っていても気持ちが乗らないと行動に移せないことが多いんですか?

基本そうです(笑)。プライベートに関しては、環境が整っていても続かないことが多いですね。ランニングをしようとウェアやシューズを揃えたけど2回しか走らなかったとか、毎日ストレッチするぞと思ってストレッチマットを買ったのに、2週間しか続かずに押入れの中にしまっちゃったりとか。仕事以外のことはまったく頑張れないのかもしれません(笑)。

─裏を返せば、それだけ仕事に対して真摯に向き合っているってことですものね。

そうですね。仕事に100で向き合っているから、プライベートはほぼ0になってしまって続かないのかな(笑)。


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