伊藤美来が語る「攻め」の背景、さらなる広がりを得たポップスの世界

伊藤美来(Photo by Kentaro Kambe)

本日12月23日にリリースされた伊藤美来の3rdアルバム『Rhythmic Flavor』は非常に挑戦的なアルバムに仕上がった。

声優として第一線で活躍すると同時に、2016年からはソロアーティストとしても音楽活動を続ける彼女だが、シングルではアニメに関連した楽曲を発表しつつも、アルバムでは“上質なポップス”にこだわった作品作りにこだわり続けている。そのこだわりが最初のピークを迎えたのが、前作にあたる2ndアルバム『PopSkip』だったことは疑いようがない事実だ。

その『PopSkip』から1年5カ月を経て届けられた『Rhythmic Flavor』は、“上質なポップス”をベースにしつつ一歩外側に踏み出した、非常にバラエティに富んだ作品集。多保孝一、佐藤純一(fhána)、高田みち子といったおなじみの作家陣、竹内アンナやゆいにしおなど気鋭のアーティストが楽曲制作に携わったほか、Chara書き下ろし曲が収録されるなど、アーティストとしての“攻め”の姿勢が強く表出した内容に仕上がった。今回のインタビューでは音楽との向き合い方や今回のアルバム制作で見えてきた成長など、“アーティスト伊藤美来”にスポットを当ててじっくり話を聞いた。



─伊藤さんは2016年10月のアーティストデビュー以降、作品を重ねるごとに着実にステップアップを繰り返し、昨年の2ndアルバム『PopSkip』ではひとつ焦点が定まった印象があります。ご自身としては、前作を振り返ってみていかがですか?

『PopSkip』というタイトルの中にも“ポップス”という言葉が含まれているように、スタッフさんを含めた“私たちの作るポップス”を見せていこうというコンセプトが『PopSkip』にはありました。私たちがやっていきたいものはこれですよと明確になったアルバムだったと思いますし、私自身も『PopSkip』の感想をいただく中で「この道を進んでいいんだ」と確信みたいなものが生まれた1枚だったので、アーティスト活動をする上ではとても大事なアルバムになったなと思っています。



─“伊藤美来というアーティストが示すポップス”とは、前作の時点ではどういうものを意識していましたか?

普段シングルでリリースしているアニソンというよりは、J-POP寄りというか。歌詞も音楽も含めて、聴いてブチ上がるというよりはちょっと幸せになれたり元気になれたりホッとするような曲を意識していたと思います。

─今後のベースになるものが確立されたのが『PopSkip』だったと。そこから今回の3rdアルバムに向けて進む上で、どういうイメージを持って制作に臨みましたか?

「Plundere」と「孤高の光 Lonely dark」という2枚のシングルを先に発表したんですが、どちらもアニメ『プランダラ』のタイアップということで歌詞もメロディも作品に寄り添った楽曲で、ちょっと孤独を表現しつつも最終的には前を向く強い意志を歌っていました。そういうものがしっかりとブレずにある2曲が、この『Rhythmic Flavor』の中に入っても全然浮くことなく、さらに“リズミック”とタイトルにあるように難しい運びのリズムがあったりと、さらに広がりを見せられるアルバムをイメージしていました。

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