ポール・マッカートニー×テイラー・スウィフト対談「誰かをそっと支えるような曲を書きたい」

テイラー・スウィフトとポール・マッカートニー(Photo by Mary McCartney for Rolling Stone)


人生の哲学「きっと何とかなるさ」

テイラー:あーあ、グラストンベリー50周年のステージであなたと共演できていたら、きっとすごく楽しかっただろうなぁ。

ポール:本当にね。僕は君にゲストとして登場してもらおうと思っていたんだ。

テイラー:本当ですか? 誘ってくれたらなって思っていたんです。自分からお願いするつもりだったし。

ポール:「シェイク・イット・オフ」を一緒に演りたかったな。

テイラー:それ、きっとめちゃくちゃ楽しかったんだろうなぁ。

ポール:キーもちゃんと知ってるよ、ドだ。

テイラー:私があなたを尊敬する理由のひとつは、何があっても音楽を思いっきり楽しもうとしているのが伝わって来るからなんです。楽器を弾いたり曲を書くことを、あなたは心の底から楽しんでいるのがわかる。それって素晴らしいことだと思う。

ポール:僕らはすごくラッキーだよね。

テイラー:本当に。

ポール:君に覚えがあるかどうかわからないけど、僕は「なんてこった、ミュージシャンになってしまった」って感じなんだよね。

テイラー:分かります。これが自分の仕事だなんて信じられない。

ポール:つい先日、メアリーに僕の好きなビートルズのエピソードのひとつを聞かせたんだ。当時はロンドンとリヴァプールを頻繁に行き来していたんだけど、その日は猛吹雪だった。ロンドンでの仕事を終えて、僕ら4人と運転手を兼ねてたローディーはヴァンに乗り込んだ。吹雪は強まる一方で、前方が見えないくらいだったんだけど、途中で車がスリップして土手に入ってしまった。全員「うわぁっ」なんて叫びながら斜面の一番下まで滑り降りたけど、幸い車がひっくり返ることはなかった。問題はどうやって元の道に戻るかで、ヴァンだし雪が積もってたから、坂を上っていくのは論外だった。全員で小さな輪になって、どうすればいいのか考えを巡らせていたら、誰かがこう言ったんだ。「きっと何とかなるさ」(Something will happen)。その一言に、僕はものすごく勇気付けられた。まさに人生の哲学だよ。

テイラー:「きっと何とかなる」

ポール:そして実際に何とかなった。僕らは車を残して坂を上り、通りかかったトラックを呼び止めて乗せてもらったんだ。ローディーのマルはヴァンを回収し、全部片付けた。僕のキャリアはずっと、その哲学に基づいているんだ。何とかなるって信じ続けた結果、いつしかミュージシャンでソングライターになっていたんだ。

テイラー:素敵ですね。

ポール:くだらなくも素晴らしいよね。でもパニックになって「一体どうしたらいいんだ」なんて頭を悩ませている時に、その言葉は魔法のような力を発揮するんだ。

テイラー:「きっと何とかなる」

ポール:その通り。今日はありがとう、すごく楽しかったよ。

テイラー:こちらこそ! 素晴らしい話をたくさん聞けて、とても楽しかったです。



ポール・マッカートニー
『マッカートニーIII』
2020年12月18日発売


①1CD スペシャル・エディション
2,500円+税
赤ヴァージョン・ジャケット写真
日本盤のみボーナス・トラック4曲収録、SHM-CD仕様、解説・歌詞対訳付


②1CD
2,200円+税
日本盤のみSHM-CD仕様、解説・歌詞対訳付
試聴・購入:https://paulmccartney.lnk.to/McCartney3


テイラー・スウィフト
『エヴァーモア』
配信中
国内盤CDは2021年1月リリース予定
試聴・購入:https://umj.lnk.to/Taylor_evermore

Translated by Masaaki Yoshida

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