LiSAが魅せた今年最初で最後のライブ、心燃やした希望の曲たち

興奮の瞬間、「炎」と「紅蓮華」

「cancellation」を終えると、最初にいた場所へと戻るLiSAとバンドメンバー。照明の骨組みは宙釣りとなっており、背景には真紅の壁が設置されている。そんなムーディな雰囲気の中スタートしたのが、エネルギッシュなアップチューン「赤い罠 (who loves it?)」。ジャズテイストが施されたアレンジと、真紅の壁面とが生み出す世界観はどこか映画の中のようで、激しく切り替わるカメラワークが楽曲の持つスピード感にさらに拍車をかける。


Photo by 上飯坂一

アグレッシブな2曲を経て、場の空気が再び変化。会場内にいくつも灯された炎の中、真っ赤な羽織を身にまとったLiSAが最新シングル「炎」を時に優しく、時に激しく歌い上げる。その幻想的な空気を打ち破るように始まったのが、「炎」とともに今や知らない者はいないほどの代表曲へと成長した「紅蓮華」だ。鬼の面を付けたダンサー2名とともに、LiSAは気迫に満ちた表情で力強い歌を響かせる。そのエネルギーは曲が進むにつれてどんどん増していき、エンディングでは真紅の壁を突き破る演出も。まさにこのオンラインライブのクライマックスと呼ぶにふさわしい瞬間だった。

その壁の向こうに見えるのは、まるで廃墟のようなセット。真紅の壁が取り除かれるとともに、迷彩柄のジャケットを羽織ったLiSAとバンドのギタリストであるPABLOの2人が姿を現し、今後のライブにおけるアンセムになるであろう「play the world! feat. PABLO」を2人で熱唱する。ダンサーも交えたこの曲では〈この世界を遊び尽くせ〉という歌詞にもあるように、視聴者含めこの場にいる者すべてがLiSAを通じて「自分にできる、自分なりのやり方で遊び尽く」しているんじゃないかと思えてくるから不思議だ。


Photo by 上飯坂一


Photo by 上飯坂一

ライブもいよいよ佳境に。LiSAのライブには欠かせない“キメ”の1曲「Rising Hope」「ADAMAS」を連発すると、演者側の熱量が尋常じゃないほど高まっていることが、モニターを通してでもはっきり伝わってくる。特に「ADAMAS」では、LiSAがフロアタムドラムを叩きながら歌う様に、気づけば観ているこちら側もシンガロングで応えていた……なんていう視聴者もきっと多かったはずだ。それほど、ここまでのパフォーマンスにはオンライン/オフラインの差が感じられないほどの熱が感じられたのだから。

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