米グラミー賞、ノミネートアーティストが多様性の欠如を理由に選考辞退

また、同じカテゴリーにノミネートされていたジャスティン・ロバーツとジョアニー・リーズは声明にサインをしていない。Pitchforkに向けた声明では、初めてのノミネートとなるリーズは仲間との協議を重ねた結果、「総括して、彼女のアルバム『All the Ladies』を選考から除外することは、私のアルバムのメッセージ、そしてジェンダーの平等性、音楽産業に女性を含ませるという目的とは逆の結果を生んでしまう」と発表した。

ロバーツは、「他の方法もあったかもしれないが、私たちは皆、同じゴールへ向かっている。多様性に富み、質が高く、誰もが聴くことのでき、それが子供の多様性を反映しているような音楽が歓迎されるようにするための構造的な変革だ」と、Pitchforkを通して発表。「ノミネートを辞退した仲間たちを称賛する。しかし私はレコーディング・アカデミー、ブラック・ミュージック・コレクティブ、そして変革に熱い思いを持つリーダーたちと共に働くことを選びたい」と、述べた。

これを受けて、レコーディング・アカデミーの多様性・平等性・包括に関するチーフ・オフィサーのヴァイシャ・バターフィールド・ジョーンズはPitchforkに対し、最も喫緊の課題として女性と有色人種の機会を発展させることを挙げ、「ブラック・ミュージック・コレクティブの発足とカラー・オブ・チェンジとのパートナーシップなどにおいて、私たちは前進してきた。そしてまだまだやることは残っている」、「今年のグラミー賞ノミネートの候補者名簿は、これまでで最も多様性に富んでおり、これからもより大きな機会均等の実現に向けて進んでいこうとしている。ファミリー・ミュージック・フォーワードなどとの面会を通じ、これから必要な変革を再確認してきた。私たちは、音楽産業がこれからも共に前進し続けていくことに自信を持っている」と、述べている。

元記事:Grammys Children’s Album Nominees Ask to Withdraw From Category Over Lack of Diversity

Translated by Kohei Ebina

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