素顔の浜田省吾 水谷公生と紐解く最新ミニアルバム

2020年12月の特集は浜田省吾。毎年12月というのは、恒例の忘年会企画というものをやっておりまして。あなたと私の忘年会、楽しく一年を終えましょうという月なんです。浜田省吾さんは、2020年11月11日に8曲入りのミニアルバム『In the Fairlife』を発売しました。Fairlifeというのは、様々なアーティストが浜田さんの曲を歌う、ソロ活動とは別のユニットですね。2004年、2007年、2010年に出たアルバムの中から、浜田さんが歌っている曲を集めたアルバムです。このアルバムを入り口にお送りしようと思っております。この12月の忘年会企画は一人でやることが多いんですが、今年は新型コロナウイルスの影響もあって一人で番組をやらなければならない月も多かったので、最後は楽しくゲストをお招きして終わりましょうと、この方をお招きしました。アレンジャー、プロデューサーとして、1970年代から浜田さんの制作活動に参加しているFairlifeのメンバー、水谷公生さんです。

水谷公生(以下、水谷):よろしくお願いします。

田家:水谷さんは現在ベルリン在住の現代音楽家です。今年はコロナもあって、日本にいらっしゃったんですか?

水谷:3月22日に外務省から、帰れなくなる前に帰りなさいっていうお達しがあって。乗ろうと思っていた飛行機がキャンセルになったりして、慌てて帰ってきました。

田家:今年は色々なアーティストがツアーをできなくなったりしておりまして、浜田さんもファンクラブツアーの開催予定がなくなってしまって。代わりと言っては何ですが、今まで手をつけられなかった企画というものが実現して、その一つがこのミニアルバム『In the Fairlife』なんですね。Fairlifeというユニットのメンバーは浜田省吾さんと水谷公生さん、作家の春嵐さんで、毎回ゲストボーカルを招いているわけですね。作詞が春嵐さん、作曲が浜田さん、アレンジ・サウンドプロデュースが水谷さん。このユニット名は公生さんに由来するんですよね?

水谷:僕の名前の漢字が、公に生なんですね。「スタジオの名前はそういうのがいいんじゃないの?」ということで、造語なんですけどFairとLifeをくっつけてFairlifeと。浜田さんが名付けてくれました。

田家:水谷さんのスタジオの名前がついたユニット。2004年、2007年、2010年にアルバムをリリースされてきて、今流れた「みちくさ」は今回の『In the Fairlife』の一曲目ですね。オリジナルバージョンは2010年の『みちくさ日和』に収録されています。オリジナルでは、ポルノグラフィティの岡野昭仁さんが歌っているわけですが、今回は浜田さんが歌ってます。

水谷:同じ楽曲なのに、聞こえ方が全然違うというか。岡野くんが歌うと皆で歌おうっていう感じなんですけど、浜田さんが歌うと、皆を温かく包み込む感じになるのがすごい面白いなと思いました。

田家:この曲を歌い直そうというのは浜田さんからのアイディアだったんですか。

水谷:そうです。やっぱり、歌詞をよく聴いていると、コロナ禍の今に、慌ててV字回復しようとか言う人たちも多いですけど、そうじゃなくて、もう一回落ち着いてということを浜田さんは感じていたみたいで。この時期にこれを選ぶというのは、さすがだなと思いました。

Rolling Stone Japan 編集部

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