全米のセックスワーカーを敵に回した18歳女性の「嘘」

Photo illustration by Rolling Stone. Photographs in illustration by Adobe Stock

TikTokで190万人のフォロワーを抱える18歳の自称ストリッパー。驚きの体験談で人気を集めた彼女は虚言癖なのか?

おそらくTikTokをよく使っている人なら、おすすめページにImperialが出てきたことがあるだろう(現在本人のアカウントは非公開)。頬骨が高く、へそピアスをした、くっきり眉の18歳の女の子は、たいてい少なくとも1日1回は投稿し、1年足らずで実に190万人のフォロワーを集めた。彼女の動画は大半がおふざけ系で、流行りの音楽に合わせて恋人がいない不満をぶちまけたり、自宅のアパートを見せびらかしたりしている。だがImperialの動画でもとくに人気が高いのは、ストリッパー時代のワイルドな体験を語ったものだ。こうした動画のおかげで、彼女はTokTokのエキゾチックダンサーのコミュニティ、略してStripperTokで注目の的となった。

プライベートパーティで自分の父親と鉢合わせしたことや、ステージで踊っている最中に糞を投げつけられたこと、嫉妬深い妻や恋人たちから襲われたこと、クラブで発砲事件に巻き込まれたこと云々といった話でその名を知られるようになった。初期の動画には半分アメリカ、半分オーストラリアのような風変わりな訛りがあった。最近はほとんど見られないが、本人は言語障害のせいだと言っている。

【動画】ストリッパー時代の「すべらない話」とキュートな仕草で人気爆発

Imperialの動画がこれほど話題になった理由は誰の目にも明らかだ。彼女のコンテンツは面白いし、共感する部分があり、ちょっとどころかかなり過激。しかも社会的烙印を押された職業の実情を、ある程度だが、垣間見せてくれる。8インチのハイヒールやリビングルームに設置されたポールダンス用のポールをフォロワーに披露することで、Imperialは時にメインストリーム社会から蔑まれ、非難される職業に人間らしさを加えた。

ただし、問題がひとつある。StripperTokの人々の大勢が、Imperialの話が真実だとは思っていない。ImperialのフォロワーたちはImperialが売春にまつわる神話を打ち壊したとしてコメント欄で称賛しているが、ローリングストーン誌が取材したエキゾチックダンサーはみな、彼女のコンテンツは偏見から遠ざけるどころか、逆に煽っていると考えている。

Translated by Akiko Kato

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