氷室京介の2000年代から2016年「LAST GIGS」までを語る



田家:僕この曲好きなんですよ。この畳みかけ方と滑り出し方が実に気持ちいいなと思って。子安さんが復帰された時には、このアルバムの制作段階はどれくらいだったんですか?

子安:デモテープはほとんど聴いてなかったですね。まず『Claudia』のシングル盤やタイアップの話もあった中で、断片的に出てきてはいました。

田家:『FOLLOW THE WIND』は、一旦出来上がったものを全部破棄したと伺ったことがあります。

子安:全部ということはないですけど、一回歌ってみて言葉のノリが違うので歌い直したりとか。氷室さんは、単に音符に言葉を乗せていくんじゃなくて、氷室さんなりの言葉の乗せ方が個性だと思うんですけど、そこでビート感やスピード感も含めて、その時代のサウンドになっているかということはすごく気にしていたんじゃないかと思います。

田家:このアルバムは、HIPHOPの要素とかも取り込んでいて。一曲目の「VIRUS」は特にそんな感じでしたね。

子安:氷室さんはロサンゼルスに住んでいて、現地の音楽を肌で感じられる環境にいて。これから自分が生み出していく音楽も、そういう場所で自信を持って出せるものにしたいという想いは強かったのかなと。久しぶりに会ってまずびっくりしたのが、英語がペラペラだったんですよ。スタジオで通訳なしで、氷室さんご自身でやられるのを見て、もうそんなレベルなんだということを『Case of HIMURO』のレコーディングの時に感じました。

田家:なるほど。『FOLLOW THE WIND』を聴いた時はどう思われました?

子安:ものすごく尖っているというか。前向きに攻めている感じのアルバムですね。

田家:このアルバムから、子安さんが忘れられない曲として選んだのがこの曲です。「RAP ON TRAP」。

Rolling Stone Japan 編集部

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