三浦大知が今こそ語る愛の話、27作目のシングルで到達した新境地

オンラインライブの舞台裏

―10月に行われた単独オンラインライブ(「DAICHI MIURA Online LIVE The Choice is_____」、今年見た配信ライブの中で一番衝撃でした。

ありがとうございます、作ってよかったです。いろいろ紆余曲折がありましたね、あのオンラインライブは。

―降りしきる雨の音、木々の揺れる音、川のせせらぎ、虫の鳴き声といった森の自然音が静謐なムードを高める中、濡れながらのダイナミックなパフォーマンスは圧巻でした。何がどうなってあの場所でああいう見せ方になったんでしょうか。

俺が無茶を言って(笑)。“オフラインができない代わりとしてのオンラインライブ”よりも、“オンラインじゃないとできないライブ”がしたくて。オンラインライブはどうしても最新技術とかデジタルな演出に寄っていきやすいですけど、その真逆、自然の力を借りて森と川っていうマテリアルの中でやるのは面白そうだなと思いついて提案しました。

―チャット欄に「大知の色気が湯気となって表れてる」とコメントしていた方がいましたよ。

あはは! そんないいものじゃない(笑)。冬の野球部みたいなもので。

―雨は本当に想定外だったんですか? 大知さんやダンサーがターンして雨粒が飛び散るのも、素敵な演出の1つになっていたので。

もちろん! 直前まで本当に降らないでくれと思ってました。なんですけど結局映像が上がってみたら、降ってよかったというか、そうでないと撮れない、すごいものができたかもっていう感触がみんなありました。

―「淡水魚」で夜の川に入っていく演出、「Be Myself」で夜の光景から昼に突如切り替わったシーンが特に感動しました。木の枝越しに大知さんを映している場面もありましたが、カメラは何台使ったんですか?

5台くらい。意外とそんなに使ってないんです。というのは、収録だけどライブ感のあるものにしたくて、あまり編集したくなかったというか。台数より効果的にいるべきところにカメラマンさんがいるというのが大事でした。撮影クルーも天候やスケジュールが限られた中で満足いくリハーサルができていたわけではないので、枝越しの画は俺もチェックしてないんですよ。各クルーそれぞれの持ち場で良いものを作ろうっていう思いが混ざり合った結果あれになったんです。だから、いろんなところでいろんな奇跡が起きたんだと思います(笑)。

―世界観や技術的なクオリティだけでなく、肉体的なエネルギーも伝わってきて。いつものライブの感じも大切にされたんですね。

みんなが今見てくれているっていうのを自分も体感しながら、気持ちで繋がってパフォーマンスする。それを収録でもできたら、時空を超えるということになるだろうと思ったのでそこにチャレンジしました。ただ、画面の前の皆さんに届けるためには、よりエモーショナルになるというか、いつものオフラインのライブ以上に絶対届けるぞっていう熱量がないと難しいんだなと思いましたね。オフラインは会場のみんなで作り上げていく熱量があるけど、そうじゃなくて自分自身が届け!と思ってやる時にしか出ない熱。これはオンラインライブ特有だなとやりながら感じていました。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE