三浦大知が今こそ語る愛の話、27作目のシングルで到達した新境地

「Yours」の振付に込めたもの

―8月にコレオビデオを公開した「Yours」の映像コンセプトは?

この曲は自分の人生の話だから、ちゃんと向き合っている感じを出したいと思ったんです。だからコレオビデオの撮り方も、誰かに向けて踊っている感じではなく、自分が振付を作っている時の悩んで考えている過程をドキュメンタリーのような形で撮るのがいいと思って作りました。



―振付は、ポップ、モダン、コンテンポラリーなどがミックスされていますが、音ハメがとても多くて、トラックをそのまま体で体現しているようですね。

いわゆるリズムダンスでは全くなくて、みんなと踊ることを想定せずに自分の体に出てきたものを形にしました。

―こうしたダンスをかっこよく踊るコツってありますか?

曲をとにかくいっぱい聴くことです。その曲の世界観とかビートが理解できるはず。「Yours」の振付に関してはすごく細かいところまで踊っているので、曲をよく聴いてその音にリンクさせていく。それプラス、音と音の隙間、ヒットしてるところとヒットしてるところの間で、余韻とかメリハリをしっかりつけるのがいいのではないかなと思います。

【写真特集】三浦大知の「身体論」

―シングル3曲目の「Not Today」は、NHKのパラスポーツアニメ『アニ×パラ』の車いすバスケットボール編テーマソングとして、車いすバスケをテーマに作られた楽曲ですね。

はい。タイアップのお話があって、車いすバスケットボールの試合やアスリートの試合前の興奮と冷静入り混じる胸の内を曲にできたら面白そうという発想で作りました。車いすバスケなので金属がぶつかり合うようなノイジーなサウンドで表現できたらと。これはUTAさんとSUNNY BOYさんと3人で作ったんですけど、「ここでブレイクするのどう?」「アリなんですかその展開!?」「ヤバイですね!」なんてゲラゲラ爆笑しながらの作業でしたね。

―UTAさんとの作業はそんなふうに、自分たちの面白いと思う音要素をトークしたり試したりというセッション形式で作っていくんですよね。その手法は10年以上変わっていないと以前ご本人から伺いました。

遊びの延長というか、ただ音楽好きな友達同士でわちゃわちゃ言いながら作ってるのは確かにずっと変わらないですね。UTAさんは引き出しが本当にたくさんある人で、 どんな楽曲も柔軟に作れて、しかも全部オリジナルなものになっていてすごいんですよ。いろんなアーティストの作品を手がけられているから、たくさんの案件があるし、「今回はバラードを」みたいなオーダーに応えて作ることも多い。そんなプロのトラックメーカーとしての仕事がある一方で、俺とやる時ぐらいはそんなに決めたくないっていうか、UTAさんが伸び伸び好きなように作れる遊び場みたいなものに、三浦大知の現場がなったらいいなと勝手に思ってるんです。

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