氷室京介の充実期、1990年代後半の作品を振り返る



田家:2000年2月発売のアルバム『MELLOW』から、「ダイヤモンド・ダスト」でした。『MELLOW』は初めてのバラードアルバムでしたが、この曲で思い出されることは?

臼井:この曲は1999年10月27日にシングルで発売されたんですが、その年の10月から12月の月9ドラマ『氷の世界』の主題歌になったんですね。10月からテレビで流れたので、発売を10月27日にしたということなんですが、元々この曲を使っていただく経緯があって。テレビ局のプロデューサーが氷室さんの第ファンで、次にドラマを作る時にドラマのイメージで曲を作って欲しいという依頼があって。曲を持ち込んだわけではなくて、最初にドラマありきでそのイメージに合った曲を書き下ろしたと。なので、今手元にドラマの台本があるのですが、曲名は入ってないんですね。氷室さんがプロデューサーに直接話を聞いたり、台本を読んだりしてできた曲なので。私としても当時が思い出される曲ですね。

田家:これは1999年10月にシングルになったわけですが、『I・DÉ・A』の後の1998年にソロ10周年があってベストアルバム『Collective SOULS 〜THE BEST OF BEST〜』がリリースされました。そこには新曲「炎の化石」が入っていたのですが、当時シングルカットされませんでしたね。

臼井:シングルとして発売されたことになっているんですが、実際にシングルとして発売しているつもりがなくて。当時は8cmシングルが終わった時代だったので、『ダイヤモンド・ダスト』が氷室さんにとって最後の8cmシングルで、徐々に12cmシングルに変わっていって。その中でそれ以前のシングルも12cmシングルとして発売する中で、『炎の化石』も12cmで出したんです。そしたら、やっぱりシングルとして扱われたということなんですね。

田家:『Collective SOULS ~THE BEST OF BEST~』がリリースされた時、「炎の化石」はシングル用ではなかったんですか?

臼井:いえ、最初は氷室さんとしてはシングルで考えていたんです。次のシングルの打ち合わせがあってロサンゼルスに行って打ち合わせした時に、私の方から「ちょうど10周年なので、その括りで記録を残しませんか」『Collective SOULS ~THE BEST OF BEST~』を出しませんかという話をしたんです。そのベストアルバム用のプロモーションシングルにしたらどうですか? っていう話をして、MVも作るためにプラハに行ったんです。

田家:ハリウッドの撮影隊も連れて行きましたね。

臼井:でも、シングルになっていない曲のMVを作って、アルバムのリード曲にしたということですね。それで、さっき話したように8cmから12cmに移行する時に『炎の化石』もそうしたので、シングルとして発売したという記録になったということですね

田家:「炎の化石」のMVは、アルバムのプロモーションも兼ねていたんですね。

臼井:基本はアルバムのプロモーションですね。

田家:さて、このアルバム『MELLOW』は作詞家の森雪之丞さんが参加されていますが、次の曲は松井五郎さんの作詞。臼井さんが選ばれたのは次の曲です、「So Far So Close」。

Rolling Stone Japan 編集部

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