殺人鬼マンソンの元信者、収監から50年経過 コロナ理由に仮釈放申請も却下

事件当時のレスリー・ヴァン・ホーテン受刑囚(Photo by Bettmann Archive)

チャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」の元メンバー、レスリー・ヴァン・ホーテン受刑囚の仮釈放申請がまたもや却下された。米カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事が彼女の仮釈放を阻止したのはこれで2回目になる。

ヴァン・ホーテン受刑囚は1969年8月(当時19歳)、マンソン・ファミリーがロサンゼルスのレノ・ラビアンカ、ローズマリー・ラビアンカ夫妻を殺害した事件に関与した罪で、終身刑で服役中だったが、2020年7月、カリフォルニア州の審査委員会により仮釈放が勧告された。だが、ニューサム州知事は2019年6月同様、今回も委員会の決定を覆した。

ニューサム州知事は2019年に却下した時とほぼ同じ内容の声明を発表。「釈放すれば、彼女が今も社会に理不尽な危険をもたらすことは明らかです」と述べた。

ヴァン・ホーテン受刑囚はシャロン・テート宅で起きた殺人には加わっていない。彼女は裁判で、同じく元マンソン・ファミリーのパトリシア・クレンウィンケル被告とともにローズマリー・ラビアンカさんの頭に枕を押し付け、ランプのコードで猿ぐつわをし、14~16回にわたって刺したと証言した。

1971年、ヴァン・ホーテン受刑囚はラビアンカ殺害に関与した罪で死刑を宣告された。カリフォルニア州が一時期死刑を廃止すると、彼女の判決も撤回され、2度の裁判を経て1978年に仮釈放付きの終身刑が言い渡された。以来、彼女は23回仮釈放を申請している。

事件から数十年が経過した2016年、仮釈放委員会は初めてヴァン・ホーテン受刑囚の釈放を勧告したが、当時のジェリー・ブラウン州知事は仮釈放申請を却下。2018年1月にも再度、委員会の仮釈放勧告を却下した。2018年6月、控訴裁判所はブラウン州知事の判断を支持した。

ヴァン・ホーテン受刑囚の弁護士を務めるリッチ・ファイファー氏は、ニューサム州知事の判断に対してあらためて控訴すると述べた。ただし、カリフォルニア控訴裁判所はすでに州知事を支持する判決を下している。「今回の却下で、ニューサム州知事がこの先彼女を釈放するつもりがないことが裁判所にもはっきりするでしょう」。ファイファー氏はAP通信にこう語った。「裁判所はいまこそ法を実行するべきです。でないと今後二度とチャンスはありません」

ファイファー氏は今年初め、コロナウイルスの爆発的な感染拡大を理由に現在71歳のヴァン・ホーテン受刑囚の早期釈放を試みたが、徒労に終わった。

ヴァン・ホーテン受刑囚の釈放を支持する声は高まっているものの――映画監督のジョン・ウォーターズもその1人――現存するラビアンカ家の親族らは、ヴァン・ホーテン受刑囚を収監しておくべきという立場を変えていない。「人はみな、自らの行いに対して責任を取るべきです」。2016年、レノさんの娘コリー・ラビアン.カさんはこう述べた。「他人に罪を犯した人間に対してできるせめてものことは、刑務所に閉じ込めておくことです」

【画像】懲役120年のカルト集団指導者、「性奴隷」にされた元女性幹部たち(写真6点)

from Rolling Stone US

Translated by Akiko Kato

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