ビリー・アイリッシュ『バッド・ガイ』10億回再生突破記念、世界初の無限再生動画が誕生

進化し続ける実験としてYouTubeが立ち上げた「Infinite Bad Guy」

YouTubeは、Googleが所有するAI技術を駆使し、ビリー・アイリッシュのファンが作った無数のカバー動画をつなぎ合わせた、無限再生の動画を生み出した。

ロシアのメタルマニアとフランスのオートハープ奏者の共通点は何だろう? 正解は、両者ともビリー・アイリッシュの「バッド・ガイ」をカバーしていること。同楽曲のオリジナルMVは、先日YouTubeで再生回数10億回を突破した。

この偉業とアイリッシュの大ヒット曲「バッド・ガイ」がYouTubeでもっともカバーされた回数の多い楽曲のひとつであることを祝し、YouTubeは同社が「世界初の無限動画」と呼ぶ動画を発表した。「世界初の無限動画」とは、「バッド・ガイ」をカバーした無数の短い動画をランダムにつなぎ合わせて、見るたびに新しいビジュアルを生み出すものだ。楽曲のストラクチャーを認識できるAIのおかげで、歌のシークエンスに合った動画が毎回表示される仕組みになっている。

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実のところ、この「無限」動画は本当の意味でエンドレスではない。だが、YouTubeは1.46 x 10の100乗年分の動画の組み合わせが存在し、ひとりの視聴者が一生の間にまったく同じシークエンスにふたたび出くわす可能性はゼロだと主張する。この動画は、1050万秒相当のデジタルコンテンツでできている。

YouTubeは、「Infinite Bad Guy」を進化し続ける実験と捉えている。そのため、今回の発表後に作られたファン動画もやがては無限動画に組み込まれる予定だと同社の担当者たちは保証する。

動画をスタートした後、視聴者は自動的に「#Everything」のカテゴリーに振り分けられるが、もっとアクティブに体験したい人は、特定の楽器やジャンルを使った動画を選ぶことで、曲に合わせて跳ねたり踊ったりできる。手話言語、ダンス・ルーティン、パロディはもちろん、それ以外のカテゴリーも目白押しだ。一時停止をクリックするごとに視聴者は、視聴した動画のリストを細かくチェックし、クリエイターの公式YouTubeチャンネルに移行することもできる。

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「今回の体験を生み出すにあたり、Google Creative Labはテンポ、楽器、キー、スタイルの異なる無数の動画と音声を完璧に合わせる必要がありました」とYouTubeは米現地時間11月23日の朝に同社の公式ブログに投稿した。「従来のアルゴリズムだけでは実現できなかったため、私たちは機械学習に切り替えました。アコースティックやアカペラバージョンといったオリジナルの楽曲から派生した動画用に、カバーとオリジナルの組み合わせを予測できる、ニュートラルなネットワークを構築しました。このデータのおかげで、多彩なカバーをマッチさせ、シームレスにつなぎ合わせることができたのです」。

Translated by Shoko Natori

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