対BOØWYから対自分へ 1990年代前半の氷室京介を語る

JEALOUSYを眠らせて (RARE MASTER 1990) / 氷室京介

田家:この曲を選ばれたのはどんな理由で?

子安:『masterpiece #12』のボーナストラック的にこの曲を入れさせていただいたといいますか。

田家:そもそもボーナストラックで入ってたんですか。

子安:そう、本体には入っていなかったんですね。そもそもなぜこのバージョンがあったかと言うと、この曲もドラマ主題歌というリクエストをいただいて、氷室さんは2バージョンを作ってきたんですね。実際に使われたものと、今聴いていただいてるバージョンのどっちがいいだろう? とスタッフの中でも意見が分かれたんです。なかなか結論が出なくて、大抵はレコード会社としてはどちらがいいというのをマネージャーに伝えて、それを本人に伝えるという流れがあったんですけど。氷室さんのマネージャーの土屋さんから、僕もどちらがいいかとても悩むから、子安さんから直接話してくれということになって。私はこの未発表バージョンを推しているという話を本人に話したんですね。一通り話した後に「うん、分かった。でもこっちにするよ」ということで、こちらは潔く未発表バージョンということでお蔵入りにさせていただいて。僕もすごく思い入れのあるバージョンなんですよ。

田家:そうですよね。

子安:『masterpiece #12』って、ある意味で異質というか。本来であれば、アルバムを三枚出したので、レコード会社としてはそろそろベストアルバムを出しましょうという流れになってくるのが普通ですね。でもそれって、あまり氷室さんらしくないな、何か違ったことをしたいということで話し合って。それで、リミックスアルバムというコンセプトにしようと決まって、世界的なスタッフを集めて作ったという経緯です。

田家:エンジニアの面々も氷室さんの希望だったんですか? 

子安:当時一緒にプロジェクトをやっていたスタッフと本人の中で出てきたものだと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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