ジミー・ペイジが大いに語る、レッド・ツェッペリンの歩みとギタリスト人生

過去の楽曲は全て覚えている

ーレッド・ツェッペリンの各アルバムのコンセプトは、どのように決めたのでしょうか?

ペイジ:デビューアルバムを完成させると、北米ツアーに出た。そして1969年4月に、2ndアルバム用に「胸いっぱいの愛を」をレコーディングし始めた。でもその時、「強き二人の愛」も既に書き上がっていた。そこで僕は、リフを中心とした楽曲の次に、少し軽めだけれどもドラムのヘヴィなダイナミクスにパワーコーラスを乗せた「強き二人の愛」を持ってきたのさ。すると「胸いっぱいの愛を」とコインの表裏のようになった。そうやって方向性ができあがっていった。

それが3rdアルバムにどう影響したかというと、まずロバートとジョン・ボーナムには、「移民の歌」と「フレンズ」の2曲を聴かせた。すると「移民の歌」のハードなリフが耳に残り、「フレンズ」ではジョンがコンガを演奏している。そうしてアコースティック寄りのサウンドが確立した。この時も僕らはツアー中に、次のアルバムに入れようとしているアイディアを試していた。それが僕らのやり方さ。

ーここ数年で、レッド・ツェッペリンのボックスセットをリリースしています。新たな視点から過去の作品を振り返ることはありますか?

ペイジ:いや、ないね。そもそもどれだけ良かったかと思うくらいだ。

ー何の驚きもありませんでしたか?

ペイジ:信じられないかもしれないが、そうだ。記録用に録音していた1/4インチテープには、誰かがオーバーダブした別テイクなど、楽曲のさまざまなバージョンが入っていた。それぞれのテープには、タイトルと録音日付のみが書かれている。でも僕はそこに何が入っているか全て覚えている。奇妙な話だが、DNAに刻み込まれているような感じだ。

唯一、『プレゼンス』に収録したジョン・ポール・ジョーンズのピアノをフィーチャーしたインストゥルメンタル曲(「10リブズ&オール/キャロット・ポッド・ポッド」)だけは違った。レコーディングしたのは覚えているが、こんなにもオーバーダブを繰り返したとは思っていなかった。ミックスを1度しただけだと思っていたからね。1975年のことだった。しかし一方で、自分の記憶の正確さを実感したのさ。



ーボックスセットのプロジェクト以降、新たな発見はありましたか?

ペイジ:最近、ごく初期の(パーソナルデモ)テープを発見した。長い間どこかに行ってしまっていたテープさ。そこには「レイン・ソング」のフルオーケストレーションが入っていた。最初から最後まで今聴いているのと同じ感じで、中盤でややヘヴィになり、そしてまた静かな心地よいパートが続く。メロトロンをはじめ全てが使われている。ジョン・ポール・ジョーンズのようには演奏できていない。この曲の彼の演奏は本当に素晴らしかったからね。フレーズなどは部分的に異なる。だから聴き慣れたものとは違った曲が楽しめる。

Translated by Smokva Tokyo

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