触る、舐める、挿れる、極悪ポルノ男優の所業が長年見過ごされてきた理由

ロン・ジェレミー(Photo by Rolling Stone / Getty Images)



ジェレミーのふるまいは単なる「仕事上の危険」という問題ではない

「レイプされた被害者が責められるべきではない、と弁護士や判事が理解するようになったのはごく最近です」。 文化人類学者で『Sex at the Margins: Migration, Labour Markets and the Rescue Industry(原題)』の著者、ローラ・アグスティン氏はこう語る。「他の人は無意識のうちに、そうなったのは女性側が『そそのかすようなことをした』と思いがちです。それに加え、女性が性業界にかかわっていたとなれば、おそらく世間はたいてい『自業自得』と考えるでしょう」

言い方を変えれば、多くの人々の目にはセックスワーカーの性的暴行は同意原則の違反としてではなく、たんなる仕事上の危険と映っている。だからこそ、ジェレミー氏は長年こうしたふるまいを見逃されてきたのだ、と彼を批判する人々は言う。

「セックスワーカーになろう、ポルノ業界で働こうと決めた以上、それも仕事のうちだ、という考え方です」とバンクスさんは言う。彼女は2017年初期から、ジェレミー氏に対抗するソーシャルメディアキャンペーンの事実上のリーダーを務めている。

ジェレミー氏に向けられた容疑の大半は水面下でささやかれてきたが、法的資料によれば少なくともこれまで2度、苦情が申し立てられている。2003年、ジェレミー氏はミシガン州イプシランティのストリップクラブDeja Vuに出演後、猥褻容疑で警察から取り調べを受けた。イプシランティ警察署の元巡査部長ジョン・ミンジー氏によると、ジェレミーに会いにアン・アーバーから友人と車で駆けつけた女性が、彼と楽屋に消えた後、押さえつけられて強姦されたと主張した。

ミンジー氏いわく、女性の友人からは裏が取れなかったそうだ。「友人いわく(性行為は)同意の上だと思っていたそうです」とミンジー氏。警察はジェレミー氏にも事情聴取を行ったが、本人も同意の上での性行為だったと主張した。同郡のコンラッド・スティラー第1検事補はジェレミー氏を訴追しなかった(ローリングストーン誌はスティラ―検事補にコメントを求めたが、断られた)。

「結局のところ、言った、言わないになりました」と言ってミンジー氏は、女性の体にはあざも無理やり挿入された跡もなかったと付け加えた。「彼女は言い分を曲げませんでした。彼女は押さえつけられたと言ったが、彼は押さえつけてないと言いました」。ローリングストーン誌に宛てた声明の中で、ジェレミー氏はすべての容疑を否認した。「私は今まで誰1人レイプしたことはありません」

もうひとつは2007年、レスリー・サンチェスという女性が、マイアミビーチのイベントExxxoticaでジェレミー氏がブラの中に手を入れ、本人の許可なく胸をつかみサインしたとして告発し、彼は暴行容疑で勾留された。ローリングストーン誌が入手した警察の調書によると、「彼は無理やり引っ張って(サンチェスさんの)ブラから(胸を)出し、自分の名前をサインした」とある。ジェレミー氏はこれに対し、何も悪いことはしていないと主張している。「おそらくその週末は150人の胸にサインした。『RJより心を込めて』とね」と、情報サイトTMZに語っている。

Translated by Akiko Kato

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