触る、舐める、挿れる、極悪ポルノ男優の所業が長年見過ごされてきた理由

ロン・ジェレミー(Photo by Rolling Stone / Getty Images)



ポルノ業界の“開かずの扉”

「彼にはノーが通じません」と、元ポルノ女優のジェニファー・スティールさんも言う。彼女いわく、1997年12月にジェレミー氏から2回、1度は写真撮影の現場で、1度は彼の自宅のアパートでレイプされたそうだ。「彼はまるで、こっちが何も言っていないかのように行為を続けるんです」

ジェレミー氏はこうした主張を否定し、これまで女性たちと交わした性行為はすべて同意の上だったと主張している。「こうした主張は真っ赤なウソ、あるいは後からこじつけたものです」と、ジェレミー氏はローリングストーン誌にメールで宛てた声明でこう述べている。「私は今まで一度も、誰一人レイプしたことはありません。重大な疑惑はすべて警察によって捜査が行われ、判事から棄却されました。告発の大半は“痴漢行為”でした。この件で起訴されたり、裁判所に出頭したことは一度たりとてありません」

こうした主張のごく一部はこれまでメディアで取り上げられたが、ほとんどは閉鎖的な業界で働く女性たちの口コミで広まっていただけだった。

全く相手にされてこなかったと一部の女性は言う。「私は、彼をポルノ業界の“開かずの扉”だと思っていました」と言うのは、ポルノ女優のジェシカ・ドレイクさん。本人はジェレミー氏から暴行されたことはないが、「数えきれないほど多くの場面で、数えきれないほど多くの女性につかみかかろうとしている現場を個人的に目にしてきた」そうだ(“開かずの扉”とは、業界内で性的加害者と噂されているものの、容認されている人物を指す言葉)。

こうしたあからさまな無関心の原因は、ジェレミー氏が業界で一目置かれているからでもある。セックスワーカーに対する偏見で、女性たちがより一層名乗り出にくい状況であるというのもある。ハリウッドやメインストリーム系の他のエンタメ業界とは違い――適切な身体接触とそうでないものは、必ずしも守られているわけではないが、はっきり線引きされている――ポルノ業界の場合は当然グレーゾーンが存在する。大半の人々が顔見知りで(時にはカメラの前で体も重ねている)性的にオープンな世界では、撮影現場や見本市でお尻を叩くことは必ずしもふとどきな行為とは限らない。

こうした理由から、ファンや他の出演者に対するジェレミー氏のふるまいは許容範囲内だと本人は言う。「撮影のために、“演技として”いちゃいちゃしたり、触ったりすることはあります」とジェレミー氏。「コンベンションでは、私はそれでお金をもらっているのです。女優たちもいちゃついて、触ってきます。それが我々の仕事です」

Translated by Akiko Kato

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