触る、舐める、挿れる、極悪ポルノ男優の所業が長年見過ごされてきた理由

ロン・ジェレミー(Photo by Rolling Stone / Getty Images)



監督たちはジェレミーの性的暴行を否定

さらに、ジェレミーのポルノ絶頂期の後も長年仕事をしてきた監督たちは、ジェレミー氏がわいせつ行為を働いたという話は聞いたことがないと言う。自作で何度もジェレミー氏を起用してきたトップクラスのポルノ監督、アレックス・ブラウン氏は、彼とは28年の付き合いだが彼が性的加害者だとは思えない、彼が撮影現場で不適切な行為をしたのは一切見たことがない、と言う。「彼がレイプ魔ですって? 僕は信じません」と本人。「彼は女の子と一発ヤりたがる盛りの付いた犬か? 確かにそうです。アダルト業界にいる(異性愛者の男性の)99%はみんなそうでしょう」

自作の映画で何度となくジェレミー氏を起用し、1990年代から彼のカメラマンを務めているジム・パワーズ氏は、彼に対する告発をより批判的にとらえ、「くだらない魔女狩り」とみなしている。「こうした告発に対する私の考えはこうです。ワインスタインで散々騒ぎ立て、それに便乗しているんですよ」

彼はジェレミー氏が「女たらし」だとは認めたが、そういったふるまいはポルノの撮影現場では日常茶飯事で、彼らしさの一部だとも言った。「ロニーは何年もポルノ業界の、無害な男として通ってきました。ロニーは決して女の子をレイプしようとなどしない。女の子が『ちょっとロニー、あっち行って』と言えば済むことです」

低予算のメインストリーム系映画や長編ポルノへの出演の他、ジェレミーはRon de JeremyというラムやHedgehogジンといったリキュールなど、数々のブランドに名前貸しをしている。また業界内外を問わずクラブや授賞式にも顔を出し、業界での問題についてメインストリームの記者のインタビューも定期的に受けている。去る1月には、アダルト業界最大の業界紙のひとつXBIZの授賞式の司会まで務めた。

「ロンは根はいいヤツなんですよ、ただ何十年もポルノ会の有名人として生きてきただけで」。XBIZの創設者兼出版人のアレック・ヘルミー氏はローリングストーン誌のインタビューにこう答えた。「現実として、ポルノの人気俳優が業界のイベントでファンと触れ合うのはよくあることです。ロンはそういうふるまいを喜んで引き受けていることで有名ですが、もちろんファンの同意の上です。彼はポルノの代表的存在、ロックスターのような存在なんです」

とにもかくにも、ジェレミーは業界の広告塔で、事実上メインストリーム系メディアとの橋渡し役としての役割を謳歌している。孤立し、極端に周辺に追いやられ、極端に差別されたコミュニティで、とりわけ魅力的でもない年配の男は、おそらく自分しか会員のいない唯一のクラブの支配人に選ばれた。彼はそうした地位をそうやすやすと明け渡す気はないようだ。だが、よく言えば同意のルールの軽視、悪く言えば性的加害者的な一連の行動パターンを一部の同僚が見逃してくれたのもあって、彼がこうした地位にたどり着いたのは当然の成り行きだったのかもしれない。

「もはや業界はロンを必要としていません」とタイラーさん。「(彼は)ただ見本市のチケットを売り、セックストイの発売記念イベントに行き、自前のラムを売るだけ。でも、必要とされているとは思いません。彼が幸せになれる場所は他にいくらでもあるでしょう。でも、この業界じゃありません」

Translated by Akiko Kato

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