今年の渋谷ハロウィーンはバーチャルで 現実と仮想の交差する可能性を感じさせた空間

オープニングレセプションでも大盛り上がりとなったが、本イベント中には音楽以外にも、27,28日にはNetflix作品を渋谷スクランブル交差点で上映するネトフリシネマ、29日の和牛らが出演したお笑いライブも開催された。お笑いライブでは、5Gをテーマにした大喜利やネタが公開されており、どちらのイベントもリアルと遜色なくアバターが集まって、チャット掲示板に感想を寄せて交流が生まれていた。また、その中でも特に異質だったのが、10月27日に活動3周年を迎えたVtuber・ミライアカリのトークショーだろう。このイベントでは、唯一リアルな人間が登場せず、ステージも客席もアバターのみが登場するイベントとなった。そういったアバターを介したイベントでも、そこに投影されているのが実際の人間の言動に基づいた行動=コミュニケーションである。ミライアカリがステージ下手にファンを誘えばそこにファンが集まるし、アカリのオススメの皿うどんの店を紹介すれば、アバターのリアクションや掲示板に「行きたい!」という声が集まる。バーチャルを媒介にリアルの動きにも広がりが結びついていくというのも、新しい感覚のように感じた。


(c)KDDI・au 5G / バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス

ミライアカリの「リアルでは渋谷に行かないけど、バーチャルでは渋谷に行くっていう感覚でも全然いいと思うの」という言葉が印象的だった。イベントには実際、東京以外にも日本の地方や海外からの参加者もおり、この空間内だからこそ気軽に渋谷のハロウィーンに参加できる人もいる。バーチャル空間ではバーチャル空間ならではのバーチャル仮装コンテストなどのコンテンツがあり、そして同じ空間から先に述べたオススメの店の紹介のようにリアルの動きにも波及できる。このバーチャル空間がリアルに近づけば近づくほど、楽しめるコンテンツは増えるし、実際に訪れてみたくなる気持ちも大きくなるかもしれない。可能性がバーチャルにとっても、リアルにとっても無限大なのである。

今の新型コロナウイルスの状況を鑑みると、実際に渋谷に集まってハロウィーンを盛り上がるのは健全ではない。だが、人種やジャンルを問わずに人々が行き交えるあの空間が、新しい軸で広がっていき、それが現実とうまく作用していく時。きっとこの世の中の楽しみなコンテンツが2倍にも、3倍にもなっていくはず。そんな可能性を感じるイベントだった。




<イベント情報>

バーチャル渋谷
「ハロウィーンフェス」

2020年10月26日(月)〜10月31日(土)
=プログラム内容=
10月27日(火)16時~/18時~/20時~/22時~ Netlix presents ネトフリシネマ(スマパス会員限定)
10月28日(水)16時~/18時~/20時~/22時~ Netlix presents ネトフリシネマ 20時~ オープニングレセプション「au 5G Presents きゃりーぱみゅぱみゅ バーチャル Mini Live」
10月29日(木)21時~「au 5G Presents BiSH バーチャル Live in association with Apple Music」
10月30日(金)18時30分~「au 5G Presents「みんなの5G」 和牛の超高速ライブ Supported by よしもと」 
        19時45分~「au 5G Presents SPECIAL∞LIVE supported by よしもと」
        21時~「GOOM STUDIO Presents ミライアカリ バーチャル TALK」
10月31日(土)19時~「au 5G Presents Rin音 バーチャル Live」
        20時~「au 5G Presents NULBARICH バーチャル Live」
        21時~「DJ IN THE MIRROR WORLD」SUPER DOMMUNE」

イベント公式サイト:https://shibuya5g.org

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