佐野元春が40年の歩みを語る 言葉・メロディ・ビートへの意識と挑戦

佐野元春(Courtesy of 佐野元春)



NYとロンドンのセッションを経て、インターナショナルなレコーディング方法を学んだ

―VOL2はどんなテーマが詰まっているのでしょうか?

佐野:『Cafe Bohemia』『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』『スウィート16』。3アルバムの曲をコンパイルした。

―『VISITORS』から『Cafe Bohemia』にかけて、何か変化はありましたか。

佐野:『VISITORS』はちょっとやり過ぎたなと思って、『Cafe Bohemia』は聞きやすく作った。



―なるほど。

佐野:その頃、自分の興味はニューヨークからロンドンに移っていた。ロンドンではサードワールドの音楽が入ってきて新しい音楽が生まれていた。そこにデジタル技術がからんで、新しくて楽しいポップ音楽が生まれていた。

―今から振り返ればそうでしたね。

佐野:しばらくロンドンに滞在した。そこから英国パブロックのミュージシャンたちとセッションした『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』のレコーディングに繋がってゆく。

―ストリート音楽からインターナショナル音楽へ。それがVOL.2には凝縮されている。

佐野:そうだね。NYとロンドンのセッションを経て、インターナショナルなレコーディング方法を学んだ。その後、いよいよ本物のメイド・イン・ジャパンのサウンドを目指した。それが『スウィート16』アルバム。この作品を作りたいために、『VISITORS』と『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』があったと言ってもいい。



―その『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』に収録されている「雪 -あぁ 世界は美しい」はシンプルな日本語だけで構築された詞で、英語が入っていた初期の佐野さん曲とはまるで違います。そしてこの歌を聴くと、日本語って本当に美しいと感じさせてくれる。

佐野:「雪 -あぁ 世界は美しい」は、東洋的なセンスが欲しかったので、日本の僕のバンドでレコーディングした。プロデューサーのコリン・フェアリーも気に入ってくれた。「西洋と東洋が高いレベルで融合した新しいポップロック」。そう言っていた。

―佐野さんの中にあるオリエンタルな意識というものを、もう少し詳しく教えてください。

佐野:西洋とか東洋という枠を超えたユニバーサルなもの。禅はその象徴だ。そういえば80年代、欧米から見たオリエンタリズムをポップに表現したバンドがいた。

―YMOですね。

佐野:彼らはクレバーだったからそれを戦略化できた。ただ自分の世代では、それを超えてあるがままの状態を提示したかった。

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