U2『All That You Can't Leave Behind』20周年、ジ・エッジが振り返る完全復活の裏側

リイシューの意義と次回作の展望

ーここだけの話ですが、2年後には『POP』に発売25周年がやってきますよね? 同作のボックスセットという可能性はありますか?

ジ・エッジ:いい質問だ(笑)。うむ。今俺たちはこんな具合に昔のアルバムを自分で再評価する時間というものを楽しんでいる。だから可能性を排除しようというつもりもない。まだそういう計画は俺の耳には入ってきてこそいないが、今回のような手続きが楽しいことは本当だし、結果も成功しているといえそうだ。もう少しこうしたことをやるべきなのかも知れないね。考えてみよう。

今回の一枚が俺たちにとっても創造性の一つの頂点となったのは、スタジオに入る前の段階で積み重ねてきたもののおかげだったと思っている。『All That You Can’t Leave Behind』のアウトテイクの幾つかには、自分でもはっとさせられた。こうした曲たちというのはとかく忘れ去られてしまいがちでね。ライヴの演目に加えられることもなければラジオでかかることもないから。でも、当時に立ち返って改めて聴いてみると、こんなふうにも思うんだ。「お、なんだ。もう一枚アルバムができそうじゃないか。これでアルバムを作っておくべきだったな」。

まるでファンの一人になったみたいにこうした作品に触れられることは実に楽しい。どうやって作ったのかとか、何から出発したんだっけかといったことを自分でもすっかり忘れているからそうなれる。一切、私心なく向き合えた。こいつは本当に面白い。だから、どうなるかはわからないよ。


今回初CD化された未発表曲「レヴィテイト」

ー最後の質問です。次回作についてはどんな状況なのでしょう?

ジ・エッジ:わかってると思うが、俺はいつだってU2の曲のアイディアを考え続けている。アイディアならデカい鞄に目一杯というくらいにある。中には大分煮詰めたものもあるし、まあ半分くらいは仕上がったかなというものもある。今のところは具体的な計画はまだない。だけど、現段階で俺は書きためることを楽しんでいる。ほかにできることもそうそうはないからね。創造的な部分にどっぷりと浸かった、いい時間を過ごさせてもらっているよ。

まだ真っ白なキャンバスって状態かな。でもこういう段階もなかなかいいもんだ。これらがいったいどういう形になるんだろうといったことをさほど真剣に心配しなくてもいいからね。ただ想像力と戯れていればそれでいい。そうするといいアイディアも山と浮かんできてくれる。でも、それらがどうなるかは今のところやっぱりわからないし、こういうものがアルバムとしての形をいつ自分自身で描き出し始めるのかも、まだ正直さっぱりなんだ。


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From Rolling Stone US.





U2
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Translated by Takuya Asakura

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