T字路sが語るコロナ禍で見つめ直した原点、結成10周年とふたりの新しい旅路

10周年を迎えた今も気持ちは「野良犬」

―さて、最後に改めてお聞きしますが、どうですか、10周年を迎えて。

伊東:いまはまさにブラン・ニュー・キャラバンな気分ですね。

篠田:最初の話じゃないけど、また裸一貫でっていう。でもまあ、こうやって自分らの信じたことを地道に続けていけば協力してくれるひとも現れるんだなっていうのは、10年の実感としてありますね。

―もしも10年前の自分に会えるとしたら、なんて言いたいですか?

篠田:まずは往復ビンタしたい。「もっと気合入れてやれ!」って。

伊東:「フニャフニャやってんじゃないよ」って。そうすれば5年目でいまみたいに夜景をバックに取材を受けれたかもしれない(笑)。

―はははは。でも初めの5年とあとの5年で、制作に関してのペースは相当変わりましたよね。だって最初のフルアルバムを出したのが結成6年目でしょ。

伊東:6年目でカバー・アルバムを出して、最初のオリジナル・アルバムは7年目でしたからね。

―そこから去年、今年とアルバム出して。この3~4年くらいでめちゃめちゃ曲が増えてるじゃないですか。

篠田:それもやっぱり、せかしてくれるスタッフがいるからでね。いなかったらこんなペースで作ってないと思う。

伊東:ライブが好きだからね。

篠田:ライブがやれてればそれでよかったから。だから、せかしてくれる人がいてくれて本当によかったと思うよ。しかも、せかし方がうまいんですよ(笑)。

伊東:やるしかないという気持ちにさせてくれる。

篠田:そうそう。でも、制作が楽しいと思えるようになったのも前作くらいからですからね。それまでは早く終わらせてライブをやりたいって思ってた。

―『Tの讃歌』や『T字路s』のときはけっこう苦しみながら作ったと言ってましたもんね。

伊東:ねえ。そう考えると、この苦しい世の中の状況のなかでこんなに楽しんで制作できたのは、ほんとによかったし、幸せなことですね。

篠田:へんな自信もついたよね。もともとライブはどんな状況になろうとも、ふたりいればできるという自信があったんですけど、制作に関してはやっぱりちゃんとレコーディングスタジオに入らなきゃっていう概念があった。けど、今回こういうふうになって、ふたりで家で録れることもわかったし。だから、いつほっぽり出されてもふたりで始められるぞっていう自信がつきました。

―新レーベル作ったばかりなのに、ほっぽり出されること考えちゃダメでしょ(笑)。

篠田:ははは。そうだよね。すぐ放り出されたときのことを考えちゃうからね。そういう野良犬魂が身についちゃってるから(笑)。

伊東:ほんとそうだよ。だって、一昨年くらいからついてくれてるライブ制作のスタッフがいるんですけど、初めの半年くらいずっと“いつ捨てられるんだろ”って思ってたもんね。そのひとに捨てられる夢まで見た。捨てられないように頑張らないとね(笑)。




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