ブルース・スプリングスティーンの名曲ベスト40選

最新アルバム『レター・トゥ・ユー』をリリースしたブルース・スプリングスティーン(Photo by Danny Clinch)



4位→2位

4位 「レーシング・イン・ザ・ストリート」/『闇に吠える街』(1978年)収録



アルバム『闇に吠える街』のA面は、スプリングスティーンの作品の中で最も静かで美しい曲で締めくくられる。ロッカーの集まったフルバンドでレコーディングされたものの、アルバムにはシンプルなピアノ・バラードが収められた。小さな街の負け組の男が、改造してパワーアップした車に乗り、横には疲れた目をしたガールフレンドが座っている。この曲を初披露した1978年のライヴでスプリングスティーンは、この曲はアズベリー・パーク郊外の何でもない道路にヒントを得て書いたと語った。歌詞には、マーサ&ザ・ヴァンデラスのヒット曲「ダンシング・イン・ザ・ストリート」のタイトルが繰り返し出てくる。さらに、69年製シボレーのエンジンヘッドの種類まで推奨している。しかしどこか哀しいインストゥルメンタルのコーダが流れ始めると、先にはハッピーエンドが待っている訳ではないことがわかる(“今夜は彼女と二人で海へドライブしよう/そして俺たちの罪を洗い流そう”とスプリングスティーンは歌う)。「意味は言外に込められている」とトム・モレロは言う。「二人が不確かな未来へ向かってドライブしていくのに合わせて、永遠に続く無力感を感じるんだ」

3位 「涙のサンダーロード」/『明日なき暴走』(1975年)収録



「涙のサンダーロード」ができるまでは、『明日なき暴走』のオープニングは同名のタイトル曲にしよう、とスプリングスティーンは決めていた。「“涙のサンダーロード”は、イントロからして正にオープニングにふさわしい曲だ。シチュエーションが明確で、メロディは新しい一日や朝や、何か開放的なものをイメージさせる」と彼は言う。スプリングスティーンはこの曲を、自宅のリビングルームのピアノで作った。それをキーボーディストのロイ・ビタンがエレガントに仕上げた。「俺が持ち込んだ原曲とロイのキーボードで、実にユニークなサウンドが生まれた。今の人が聞いたらきっと『この曲はEストリート・バンドみたいだ』と言うに違いない」とスプリングスティーンは言う。他の初期の作品と同様、「君は怯えて、もうあの頃のように若くはないと考えているのだろう」というように、歌詞は彼の経験に基づく視点から書かれていることを示唆している。「アルバムの曲は、ベトナム戦争直後に書かれている。当時どのように感じたかを、皆忘れている」とスプリングスティーンは指摘する。「我々は皆自分が誰なのか、我々はどこへ向かっているのか、この国は何をしようとしているのか、といった大きな恐怖と将来に対する不安を抱えていた。そういったものをこのアルバムに込めたん」

2位 「バッドランド」/『闇に吠える街』(1978年)収録



「まずタイトルが頭に浮かんでから、このタイトルにふさわしい曲を探した」とスプリングスティーンは証言する。「『バッドランズ』というタイトルは素晴らしい。しかし台無しになる可能性もある。俺はタイトルにふさわしい曲ができるまで何度も何度も作り直した」という。曲のリフは、アニマルズ版の「悲しき願い」をヒントにした。そして当時売れていたパンクのヒット曲の勢いも取り入れて、ピート・タウンゼント風の「ステージで祈りを捧げる」ロック・アンセムに仕上がった。“信じれば救われると思っている/信じ、願い、祈る/いつか報われるだろう/このバッドランドで”と歌う。「コーラスの下のパートは彼が歌い続けているが、高音のコーラスパートも彼自身が歌っている」とジャクソン・ブラウンは言う。「クールでスリリングだ。最小限の言葉で伝わる。彼はひとつの人格を作り上げている。まるで辞典のようだ」

Translated by Smokva Tokyo

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