「ヌーミレパーク(仮)」徹底解説 King Gnuとmillennium paradeの熱量を体感する

「ヌーミレパーク(仮)」の入り口(Photo by YURIE PEPE)

2020年10月21日から2021年1月31日まで、Ginza Sony Park(東京・銀座)にて「『#014 ヌーミレパーク(仮)』DIRECTED BY PERIMETRON」が開催中。King Gnuとmillennium paradeがこれまで世に送り出してきた音楽・アートワークなどの創作表現を体感できる展示プログラムとなっている。ディレクションを手掛けたのは、両バンドの首謀者である常田大希が主宰するクリエイティブ集団・PERIMETRON。本記事では展示の紹介・解説をお届けする。


【画像を見る】「ヌーミレパーク(仮)」撮り下ろし写真ギャラリー


周辺エリアからすでに溢れている、彼らが大事にしてきたもの

まず、東京メトロ・銀座駅から降りてGinza Sony Parkへ向かうと、地下通路に落書きだらけのアドピラーが目に飛び込んでくる。






King Gnuの4人、新井和輝・常田大希・井口理・勢喜遊の写真にペイントが塗られビリビリに破られている。この悪戯を施したのも、もちろんPERIMETRONの面々。きれいな格好をした人たちが行き交う街で、タンクトップや鼻血、変顔メイク等が施されたこの柱たちはとてつもない違和感を放っている。ここは日本一地価が高い商業エリア・銀座であるにもかかわらず、まるで開発から取り残された荒野にあるストリートペイントのような臭いを醸し出していた。

King Gnu、millennium parade、PERIMETRONは、これまでも異なるカルチャーをひとつの作品に調和させることや、「矛盾」「対比」「ギャップ」を重んじることで、オリジナリティを発揮しながら人々の心を掴む新たな表現を生み出してきた。このアドピラーは、単なるお遊びや悪戯心に留まらず、そういった彼らの表現のコアを大胆に表現したものだと言える。

地上に上がれば、数寄屋橋交差点にKing Gnuのロゴが、コンクリートが崩れた中にそびえ立つ。さらには、「王牛祭」(王牛=King Gnu)、「千年祭」(=millennium parade)と書かれた旗も。これらも、銀座のど真ん中で違和感を放っているのは明らかだ。そして彼らは、違和感こそが人々の心と記憶に爪痕を残す装置であることをよく知っている。






入口エリアには、左側にKing Gnuの文字とヌーの絵が、右側にmillennium paradeの文字と「Fly with me」のミュージックビデオやライブ時の演出映像に登場するキャラクター・Eugene(ユージーン)が描かれている。

本プログラムのコンセプトは、新店舗オープンに向けて工事中のGinza Sony Parkと、まだ人生と音楽の旅の途中にいるKing Gnu/millennium paradeによる、「工事中(=未完成で仮の状態)」をキーワードにしたコラボレーション。入口には工事現場で見る「工事計画の概要」の看板が掲げられており、工事名には「トーキョーニューミクスチャースタイルバンド「キングヌー」とトーキョーカオティッククリエイティブコレクティブ「ミレニアムパレード」の世界構築」、題材には「キングヌーとミレニアムパレードの現在」、事業の目的には「キングヌーとミレニアムパレード及びペリメトロンは未だ何かを成し遂げた訳では全くなく、これからも続く創造の旅の途中であることを描くためのものとなっています」と記されている。






提供:Ginza Sony Park

Photo by YURIE PEPE

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE