矢沢永吉がロックで上り詰めるまで 1970年代の楽曲とともに語る

黒く塗りつぶせ / 矢沢永吉

1977年発売、3枚目のアルバム『ドアを開けろ』の中の「黒く塗りつぶせ」。拍手しましたね。胸のすくようなロックンロールでありました。当時の矢沢さんは26歳。ドアを開けろ、そこを通せ、俺の邪魔をするなと言わんばかりです。矢沢さんの還暦の東京ドーム公演がありまして、そのライブを観に行った時に、シークレットゲストで氷室京介さんとザ・クロマニヨンズのヒロトさんとマーシーさんが出てきて、この曲を一緒に歌いました。

続いて、矢沢さんからのコメントをご紹介いたします。矢沢さんからのコメントに続いて、1975年発売の1stアルバム『I LOVE YOU,OK』のタイトル曲であり、最初のシングル曲でもありました「アイ・ラヴ・ユー, OK」。これを10月21日に発売の3枚組アルバム『STANDARD~THE BALLAD BEST~』からお聴きいただきます

矢沢永吉:1970年代と言えば、矢沢がキャロルでデビューして、2年半のキャロルの活動を解散、Eikichi Yazawaとしてソロでやっていく。まあ、すごい時だよね。1970年代の矢沢……。がむしゃらで必死で、唾を飛ばしながら言いたいことを言っていた。ただ分かりやすかったことは、上に行きたい! あの星を掴むんだ! ってこと。普通もうちょっと黙ってれば神秘的でかっこいいのに、自分の想いというものをインタビューでもなんでもぶつける、尖ってる矢沢でした。やかましい矢沢。うるせえ矢沢。全部同じ意味か。そんなど真ん中だったと思うなあ。でも今、僕は遥か彼方、40年以上前のデビューした頃の話をチラッとしたんですけど、今は71歳になって当時の矢沢を振り返ってみると、あれはあれで良かったんじゃないかな? やっぱり20代の頃に「この扉を開けるんだ! 開くかな? 開かないのかな? いや、開かないはずがない!」っていうあの頃。青くて無我夢中でいいんじゃないかな。そういう矢沢だったんじゃないかなと思うし、それはそれで非常に素敵だったと思います。自分で自分のことを素敵だったって言いたくなるような。

Rolling Stone Japan 編集部

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