デフ・レパードやトム・モレロも参加、ザ・ストラッツが語る「ストレンジ」な新境地

 
「ストレンジ」な面々との共作エピソード

ザ・ストラッツらしいアンセミックな魅力も持つハード・ロッキンなブギの「アイ・ヘイト・ハウ・マッチ・アイ・ウォント・ユー」に参加しているデフ・レパードのジョー・エリオット(Vo)とフィル・コリン(Gt)は、今回一番、らしいゲストだろう。

「ジョーとは、ずっと前からメールのやりとりをしてきたんだ。彼は2015年、2016年あたりからザ・ストラッツの庇護者であり、大のサポーターであり続けてくれてる。俺たちという存在が、ずっと彼のレーダーに引っ掛かってたんだよ(笑)」(ルーク)

ルークから客演を頼まれたジョーが快諾したことは言うまでもない。ジョーに誘われ、参加したフィルとアダムが重ねるギター・ソロは聴きどころだ。



トム・モレロが参加している「ワイルド・チャイルド」は、レッド・ツェッペリンを彷彿とさせるヘヴィなギター・リフが鳴る異色曲だが、現在のザ・ストラッツは、自分たちでは使えないと思ったリフでも臆せず、どんどん自分たちの曲に使っていこうと考えているようだ。トムの参加はアダムのアイディアだった。

「途中、すごくレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンっぽい“♪ダダーンダダーン”みたいなところがあって、『これは!』と思い立ち、ルークが彼の電話番号を知っていたから連絡してみたんだ。作っていても楽しい曲だった。そこにトムの尋常じゃないソロが入ったことで、とんでもないことになったよ。やっぱりこれも俺には夢が叶ったような出来事で、彼が俺たちの曲で弾いてくれているなんて、自分の頬をつねりたくなるよ(笑)」(アダム)



そしてゲストはもう1人。ザ・ストロークスのギタリスト、アルバート・ハモンドJr.は、今回一番ストレンジな存在だが、ルーク曰く「何度かラジオ番組で一緒になったんだ。俺、『男が男に一目惚れ』みたいな感じになっちゃって(笑)、連絡を取り合っていた。それがしばらく続いて、今回、直前に電話してみたんだ」とか。

ロックダウンのせいで落ち込んでいたらしいアルバートは最初、あまり乗り気ではなかったものの、バンドが送った「アナザー・ヒット・オブ・ショーマンシップ」を聴き、がぜんやる気になったという。

アルバートが彼ならではと言えるギターのカッティングを加えたその「アナザー・ヒット・オブ・ショーマンシップ」をはじめ、今回、ゲストの参加が単に賑やかしで終わらずに、ちゃんとアルバムの中で、いいアクセントになっているところが素晴らしい。そんなところも『ストレンジ・デイズ』の聴きどころの1つだが、それに負けないブギの追求という大きな聴きどころがあることも忘れずに記しておきたい。



ところで、KISSの「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」のカヴァーは、ルークに言わせると、イギリスのグラム・メタル・バンド、ガールがカヴァーした同曲のカヴァーなのだという。

「実を言うとね、最初に考えていたのは、ジョーとフィルをフィーチャーした形で、ガールの『ドゥ・ユー・ラヴ・ミー』をやることだった。フィルは昔、ガールのギタリストだったからね。だから『ドゥ・ユー・ラヴ・ミー』を一緒にやれたらストーリーが一巡する感じになってクールなんじゃないかと考えて、実際、曲を送ってみたんだ」

しかし、ジョーとフィルに断られてしまい、改めて「アイ・ヘイト・ハウ・マッチ・アイ・ウォント・ユー」を提案したそうだが、そんな裏話を思い出しながら、「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」を聴けば、聴こえ方もまた違ったものになりそうだ。



来年4月には、ザ・ストラッツの来日史上最大規模となるジャパン・ツアーが予定されている。今のところ、何とも言えない状況ではあるのだが、「信号が青になったらすぐに動き出す。それは俺の口から保証してもいい。誰よりも先に飛び出せるように、すでにラインの後ろで助走の準備をしている」とルークはすでにジャパン・ツアーへの情熱を燃やしている。最後は、そんなルークからの日本のファンへのメッセージで締めくくろう。

「みんなが新しいアルバムを気に入ってくれますように! なぜなら、このアルバムはファンのために書いたもので、それはもちろん世界中のファンのことを指してるわけだけど、日本のファンは俺たちがこれまで出会ってきた中で一番情熱的でユニークな人たちだし、このレコードのユニークさも理解して楽しんでもらえるはずだと思うからね。俺たちは作っていて楽しかった。すごく楽しかった。だから、楽しんで欲しい。また会えるのが楽しみだよ!」

※文中のルークとアダムの発言はすべて、増田勇一氏によるオフィシャル・インタビューからの引用。




ザ・ストラッツ
『ストレンジ・デイズ』
10月16日発売
日本盤ボーナス・トラック「ライヴ・フロム・サマーソニック2019」
試聴・購入:https://umj.lnk.to/struts-strange-days

ザ・ストラッツ JAPAN TOUR 2011
2021年4月12日(月)新木場STUDIO COAST
2021年4月13日(火)新木場STUDIO COAST
2021年4月15日(木)NAMBA HATCH
2021年4月16日(金)梅田CLUB QUATTRO
詳細:https://www.creativeman.co.jp/event/the-struts2020/

 
 
 
 

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