デフ・レパードやトム・モレロも参加、ザ・ストラッツが語る「ストレンジ」な新境地

 
ロビー・ウィリアムスとの共演秘話

ロック・スター不在の現代のロック・シーンに突然、フレディ・マーキュリーとミック・ジャガーからロックの遺伝子を受け継いだと謳われるカリスマティックなフロントマンを擁する4人組が現れたのだ。ザ・ストラッツに対して、多くの人が期待するのも大いに頷ける。だからこそ、彼らは新人にもかかわらずザ・ローリング・ストーンズ、モトリー・クルー、ガンズ・アンド・ローゼズ、ザ・フー、フー・ファイターズといったビッグネームのサポート・アクトに抜擢されてきたわけだが、結成から8年。世界的な人気の決定打となるヒットを求められることは、いまだ音楽そのものに愛情を抱いている彼らにはプレッシャーにも感じられるようになってきたのかもしれない。

そんなとき、誰からも指図されることなく、自由に音楽を作れるチャンスが訪れたんだから楽しむしかないだろう。その意味では、タイトルにストレンジと掲げながら、『ストレンジ・デイズ』は実のところバンドの根源的な部分が反映されているようにも思える。

前2作――2016年の『エヴリバディ・ウォンツ』、2018年の『ヤング&デンジャラス』からの若干の路線変更を印象づける80s風のハード・ロック・サウンドと同じくらい聴きどころと言える豪華ゲストも話題作りなどではなく、純粋にメンバーたちが共演したいと思った人たちに声を掛けたようだ。誰でもよかったわけじゃあない。その意味では、幅広さも含め、意外に思えるゲストたちも彼らの中では、ちゃんと繋がっているのだった。


ロビー・ウィリアムスとルーク・スピラー(Photo by Sonny Matson)

アルバムのトップを飾るアンセミックなバラードの「ストレンジ・デイズ」にロビー・ウィリアムスを招いたのは、ルークとアダムにとってオアシスと並ぶ少年時代のヒーローだったことに加え、ルーク曰く「彼のような昔ながらのソングライティングの感じが欲しかったから」だそうだが、「参加してもらうんだったら彼の最高傑作に負けないくらい豊かなテクスチャーを持つ曲じゃないと駄目だ」とも思ったという。

「彼の曲で言うなら『エンジェルス』『フィール』『シーズ・ザ・ワン』みたいな、それこそザ・ビートルズが書いたんじゃないかと思えるような素晴らしいバラードじゃなきゃ」




つまり、「ストレンジ・デイズ」はそういう曲になったということだろう。因みに、そんな堂々のオープニング・ナンバーにロビーの歌声を加えるレコーディングは感染防止対策を徹底するため、ロビーの豪邸の玄関の前に広がる庭で行われた。

「あれはマジで滅多にない経験だった。まず俺は、ビバリーヒルズにある彼の豪邸に赴いたんだけど、のっけからすごくストレンジな感じでね。俺は門のところで車から降ろされたんだけど、すぐそこに玄関があってチャイムを鳴らして、というつもりでいたらとんでもなかった。そこから玄関まで、なんと1マイルぐらいありやがるんだ!(笑) 『ジュラシック・パーク』かと思うようなゲートから入って、15分ぐらい酷暑の中を歩く羽目になって、それでようやく家に辿り着いた。目の前にそびえる馬鹿でかい豪邸の左側には彼の所有する車が何台も並んでいて、右側はいわゆるポーチになってるんだけど、そこにまた堂々たる柱が2本立っていて、建物の中に入るのに階段を4~5段上るような造りになっていてね。そこに、俺よりもちょっと先にプロデューサーのジョン・レヴィーンとエンジニアが到着していて、ラップトップやらインターフェイス、マイク2本がセッティングをしてあった」(ルーク)

 
 
 
 

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