シャーデーが1985年に語った、音楽との出会いと「引き算の美学」

シャーデー・アデュ(Photo by B. Gomer/Express/Getty Images)

シャーデーのLPボックス『This Far』発売を記念して、1985年のインタビューをここに発掘。前年発表のデビュー作『ダイヤモンド・ライフ』が大ヒットを記録し、瞬く間にスターダムへと上り詰めた彼女の素顔を振り返る。

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ことイギリスの業界においては物事は実際以下のごとくである。レコードのヒットの前に、称賛の前に、さらには声にすら先立って、まずは見た目が問われる。ではこのシャーデーの“見た目”を見てみよう。高くまで顕わになった額。すらりとした体型。そして、輝かんばかりの、ほとんどエキゾチックともいえそうな双眸。ふくよかな口元は官能的ですらある。淡い化粧や刈り込んだ髪型などは差し引いても、彼女の顔立ちはかつてどこにも見つからなかった種類の独特の魅力に満ちている。



この1年半ばかりというもの、25歳のシャーデーは、この見た目を武器に、自分たちの音楽的キャリアの方も、同様の目覚ましさで切り拓いてきた。彼女は自身の名を冠したバンドのリードシンガーであり、作詞を担当している。バンド“シャーデー”のデビュー作『ダイアモンド・ライフ』はすでに英国国内だけで100万枚以上を売り上げ、全世界では400万枚に達している。しかも同作は現在シングル「スムース・オペレーター」のヒットを受けて、アメリカのチャートを駆け上がってもいるのである。

Translated by Takuya Asakura

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