米ユニバーサルがタイ・ポップスに投資、K-POPの次はT-POP?

タイ・バンコクのMV発表イベントに登場したLYRA(ライラ)のPun、New、Fond、Nikki、Jennis、Noey( Courtesy of Universal Music Group)

爆発的に世界に普及したK-POPやラテン、アフロビート。タイ・ポップ=T-POPは、次に来るジャンルになれるのか?

LYRA(ライラ)と聞いても、あなたはピンとこないかもしれない。だが、現地時間10月7日に公開されたLYRAのデビューシングルとなる同名楽曲のミュージックビデオのYouTubeの再生回数は、はやくも200万回を超えている。10月9日早朝、米ユニバーサルミュージック・グループ(以下、ユニバーサル)のタイ現地法人であるUniversal Music Thailandは、タイの大手音楽会社IAM RecordsとLYRA——バンコクを拠点に活動する女性シンガー6名のグループの——のグローバルレベルのパートナーシップを結んだことを発表した。

LYRAのメンバーは、BNK48からオーディションで選出された。BNK48とは、IAM Records所属のT-POPアイドルグループで、78名のメンバーが入れ替わりながらパフォーマンスを披露する。TikTokでは、#BNK48とタグ付けされた動画の再生回数は6億回に達しようとしている。それと並行し、BNK48のYouTube公式チャンネルの全動画の再生回数は6億5000回を超えた。韓国の大人気K-POPグループ・BTSの所属事務所であるビッグ・ヒット・エンターテインメント同様、IAM Recordsが運営する音楽レーベルIAMとマネジメント会社のチャンネルの視聴者数は10億人を超える。

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Universal Music Thailandの代表取締役を務めるポール・シリザント氏は、自身のチームが「T-POPとタイの独自のサウンドを世界中に届ける」ことに期待を寄せているとコメントを発表した。それと関連して、ユニバーサルのホームページの募集職種一覧に国内マーケティング部門(拠点:バンコク)のトップが2週間前に浮上した。

タイのチームのさらなる拡大計画はあるのか? と本誌がユニバーサルに尋ねたところ、同社の担当者は次のようにコメントした。「私たちは、地域を問わずA&Rと地元レーベルの開発に積極的です」。さらには、ヒップホップとR&Bを専門とする米レコードレーベルのDef Jam Recordingsと契約を結んだDaboyway(ダボーイウェイ)やシンガーのヴィオーレット・ウォーティアといった何百万人ものInstagramフォロワーを抱えるアーティストをはじめ、過去3年にわたって同社がタイの国内アーティスト育成に取り組んできたことも言い添えた。ユニバーサルの担当者は、同社がマレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナムといった国のレーベル開発にも取り組んでいると話す。

IAM Recordsとのパートナーシップのニュースが飛び込んでくる約3カ月前にユニバーサルはベトナムのホーチミンにオフィスを開設し、約1年前に東南アジアの地域本部をシンガポールに開設してDef Jam Southeast AsiaとAstralwerks Asiaを立ち上げた。地域本部の開設が発表された当時、同社は「録音された音楽、音楽出版、プロダクション、ライブイベント、ブランドとのパートナーシップ、グッズ事業とともに東南アジアの音楽エコシステム全体の成長の加速にフォーカスする」と語っていた。

From Rolling Stone US.

Translated by Shoko Natori

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