5G時代の新しい視聴体験 バーチャル上の渋谷スクランブル交差点でNetflix作品を鑑賞

clusterアプリのダウンロードや登録で準備を済ませてアクセスすると、渋谷のスクランブル交差点のど真ん中に突如、自分のアバターが出現。先ず目に飛び込んで来て驚かされるのは、その街の再現性であろう。スクランブル交差点の周辺の高く聳え立つビルに囲まれた並びや、実在の看板が忠実に再現されており、思わず空間内をどこまで行けるのか散歩してみたくなる。後から参加してきた参加者たちも、物珍しそうにあちらこちらへと徘徊し、新しい世界の機能を試したり、リアリティあふれる渋谷の空間を散歩する。アバター同士が顔を合わせる場面では、目の前でジャンプしあって挨拶を交わす微笑ましい場面も散見された。そして何より、リアルに再現された渋谷の街には、渋谷現地に行かないと体験することのできない、街並みに即したXRアートも再現、バーチャルならではの演出や近未来的な装飾を加えた特別な空間が広がる。自分のデバイスの中に新しい世界軸の渋谷が形成されている喜びと、時代はここまで進んでいたのかとVR空間のレベルの高さに驚かされた。

上映時間が近くなると、アバターが続々とスクランブル交差点に集合し始め、全アバターが巨大スクリーンに釘付けになる。見知らぬ人(アバター)が集まっており、コロナ禍で重視されていたソーシャルディスタンスに縛られない密な空間が形成される。今回のような上映イベントでも、バーチャル空間上で友人と一緒に作品を鑑賞することで、よりリアルに近づいた体験にでき、その場で感想を共有することも想像できる。実際、画面上に表示されるオープンチャット画面では、作品に感想を寄せるコメントや交流も生まれていた。考察させるようなミステリー系の作品が上映されていれば、さぞ議論が盛り上がって交流を楽しむこともできるだろう。皆があれこれとコメントし合っている様子も、実際の街中の雑踏で聴こえてくる会話の様子を想起させた。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE