魔法少女になり隊が語る、「RPG系バンド」の仮面を脱ぎ捨てた理由

ーちょっと脱線しますけど、音楽のお仕事を通して一番泣いたことって何ですか。

火寺:直近の話ですけど、スタッフさんと喧嘩みたいになっちゃったんですよ。4時間泣き続けました。意志の疎通がうまくいかなくて、思っていることを伝えるのに一生懸命になりすぎて涙が出ちゃった。(目を潤ませて)今、思い出しても泣いちゃいそうになる。

ー本当に泣いてるじゃないですか。

火寺:そうなんですよね。こういう感じでみんなに迷惑をかけているんです。言葉にならない感情がバーっと溢れた時に、涙もブワーって流れきちゃう感じで。心と体が連動しているから難しいんですけど。それがライブでうまく表現できるように、これからの課題かなと思ってます。

ーボーカリストとしては、どのように見えてますか?

新井:曲を作るにあたって、彼女の声がどのような曲で活きるのかを知りたくて早い段階で仮歌を録らせていただいたんですよ。その時にオートチューンをかけたまま録りたいと言ったので、内心は「それじゃあ声が分からないかもな」と思いつつも、一旦は要望通りにやってみました。「次は生の声で聴いてみたい」と言ったら、本人はすごくコンプレックスを持っている風だったんですけど、僕的には可愛さが出る印象だったんですよね。語弊がある言い方かもしれないですけど、バジルさんの歌声はアイドル要素がある。それもある種のカリスマ性だと思うんですよね。超絶的にうまい歌が歌えることだけが全てではないので、このバンドにとってのアイコン的なイメージで言うと魅力的でキュートな声をしているなと思ってます。

ーgariさんの印象はいかがですか?

新井:仮歌で初めてgariくんのシャウトを聴いた時に、それがめちゃめちゃカッコよくて尊敬したんですよ。キャラクター的には我が道を行くタイプなので、放っておいても大丈夫だなと思うくらい安心感がある。変なところへ行きそうになったら自分で気づいて軌道修正できるタイプなので、gariくんはgariくんで本当にカッコいいフロントマンだなと思いました。「NEW ME」のサビではオクターブ下を歌ってますけど、そこは面白いんですよ。とてもキャッチーでいい声を持っているなって。

ーシャウトに関して元々シャウトが向いている体格なのか、それともテクニックで磨いてきたのかどちらでしょう?

gari:身体がすごいヒョロヒョロで、がたいもそんなに大きくないから、僕はテクニカルでしかないですね。シャウトについては独学で学んだんですけど、YouTubeで「HOW TO SCREAM」みたいなワードで調べたら外人がシャウトしている動画や声楽の動画を見つけて。そういうのを見ながら自分で挑戦したら、身体が大きくなくてもできるんだなと気づけたんですよね。

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