佐野元春と振り返るTHE COYOTE BANDの軌跡

佐野元春


Kickin’ Asphalt / Duane Eddy

田家:FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」佐野元春40周年Part4。THE COYOTE BAND編。今月はいつもの後テーマ曲、竹内まりやさんの「静かな伝説(レジェンド)」はお休みにして、Duane Eddyの「Kickin’ Asphalt」が流れています。40年を駆け足で辿ってきました。これはアンケート風にお聴きしたいのですが、色々なことをやったなっていう感覚はおありですか?

佐野:ある。いろんなことをやってきたなぁ、と思います。ただひとつだけソングライターとして気をつけていることがあって。これだけ長く曲を作っていると、物の見方が成熟した大人の見方になってきてしまう。つまり、世の中の粗が見えてくるということなんだよね。

田家:世の中の粗。

佐野:観察眼が優れてくるということだ。経験を積むにつれて、世の中のダークサイドに目を向けがちになる。シニカルな表現も冴えてきたりする。酸いも甘いも噛み分けた、つまり洗練、だよね。それはいいことでもあるんだけど、一方ではポップ音楽のリスナーって10代、20代というこれから経験を積む人たちも多い。そんな彼らを暗い気持ちにさせるのもどうかな、って思う。ポップ音楽はどこか、明るくてポジティブでハッピーであったらな、と思う。だから、大人の視点をあまり曲に盛り込みすぎないように気をつけないといけないなって思う。

田家:今レコーディング中だという話はありますが、それはどういう内容なんですか?

佐野:来年ニューアルバム出したい。これもまたすごいと思うよ。

田家:10月に新曲を出すという告知もありましたけど。

佐野:今のコロナ禍で、本当はファンの皆さんにライブという形で感謝を伝えたいんだけど、それができない。なので、その代わりに少しでもファンの皆さんに楽しんでもらいたいということで、シングル曲を何曲か続けて出したいと思う。10月に新しい曲を出すよ。

田家:アルバム『MANIJU』の最後に「MANIJU」という曲が入っていましたが、その曲は"もう心配ない"という歌詞で終わっておりました。

佐野:大人の僕は「この世界は荒地だ」と言うけれども、子供たちはそんな心配することないよ、ということだ。

田家:なるほど。来年のアルバム、期待しています。ありがとうございました。

佐野:ありがとうございました。



<INFORMATION>


田家秀樹
1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。
https://takehideki.jimdo.com
https://takehideki.exblog.jp

Rolling Stone Japan 編集部

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