佐野元春と振り返るTHE COYOTE BANDの軌跡

佐野元春




田家:お聴きいただいたのは、2015年7月発売16枚目のアルバム『BLOOD MOON』より、「私の太陽」。『BLOOD MOON』はTHE COYOTE BANDというカラーが更にハッキリと前面に出ていたアルバムだなと思いました。

佐野:『BLOOD MOON』を出す頃には、もうバンドとしてのアイデンティティがしっかりしていた。僕らがやりたいこともハッキリしていた。『BLOOD MOON』というアルバムは、聴いてもらえばわかるけれど、日本のロックの傑作と言っていい。誇るべき素晴らしいロックンロールアルバムだと自負している。

田家:THE COYOTE BANDは、2005年にMellowheadの深沼元昭さん、ノーナ・リーヴスの小松シゲルさん、GREAT3、カーリー・ジラフの高桑圭さんの3人が参加しておりまして、その後にツアーを重ねて、ギター/PLECTRUM藤田顕さん、キーボード/Schroeder-Headzの渡辺シュンスケさんが加入しました。

佐野:そのTHE COYOTE BANDはキャリア15年となって、もはや以前のTHE HEARTLANDやTHE HOBO KING BANDを超える勢いだ。

田家:最初に加わった時のアルバム『COYOTE』を聴かせていただいた時に、下の世代っていう感じがあったんですが、もうそういう感じもないですもんね。

佐野:古いファンはそう感じるだろうけれど、新しいファンは違う。僕も若いミュージシャンと一緒にやっているという意識は全くない。

田家:『BLOOD MOON』はそういう感じが極めて強いアルバムだと思いました。

佐野:『BLOOD MOON』は「今」のアルバムだ。バンドもいい演奏してる。

田家:時代を直視したという言い方もできるんでしょうけど、それぞれの歌詞"私の太陽の中の壊れたビートで転がり続けな"というところとか、"優しい闇の何もかも変わってしまった"など、「紅い月」でもそういう歌詞がありました。その一方で佐野元春&The Hobo King Bandでセルフカバーアルバムも出してますもんね。

佐野:同時にTHE HOBO KING BANDとはライブを続けていて、これまでの曲を新しい編曲で披露している。それをまとめてアルバムにしたのが「月と専制君主」と「自由の岸辺」だ。

田家:佐野元春&The Hobo King Bandでやろうとしていたことと、THE COYOTE BANDでできることがハッキリ分かれますよね。

佐野:僕の音楽の範囲は広い。THE HOBO KING BANDとは、ブルースやフォークといったルーツ傾向の音楽を、THE COYOTE BANDとはモダンロックをやっている。

Rolling Stone Japan 編集部

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