佐野元春と振り返るTHE COYOTE BANDの軌跡

佐野元春




田家:2007年6月にリリースされたアルバム『COYOTE』から「荒地の何処かで」でした。『COYOTE』は良いアルバムだなあと当時も思いました。一人の男がモチーフになって作られたというストーリー性やモチーフ、情景について改めて聞かせて頂けますか。

佐野:アルバム『COYOTE』は映画のサウンドトラックを作ってみようという発想で作った。主人公はある中年の男、その男を巡る物語だ。

田家:主人公を描いた時に、COYOTEという言葉はあったんですか?

佐野:ソングライティングの中で思いついた。

田家:その言葉には思い入れがあったんですか?

佐野:インスピレーションだ。

田家:そういうロードムービーのような架空のサウンドトラック盤という時には、シナリオを先にお書きになるんですか?

佐野:そう。机のどこかにそのシナリオがあると思う。そのまま映画になるかもね。

田家:どのくらいの長さのものなんですか?

佐野:90分くらい。

田家:そこには、どこまで書き込まれてるんでしょう。

佐野:正確には覚えてないな。

田家:どなたか映像作家の方が、シナリオを下地にしてそれだけの長さの映像を作れると。

佐野:ウケるかどうかは分からないけど、作ろうと思えば作れると思う。

田家:それをご自身でやってみようという風には?

佐野:思わない。僕自身はミュージシャンだから。

田家:このアルバムができればそれでよかったと。アルバム『COYOTE』の中には「コヨーテ、海へ」という7分半の曲も今回のベストアルバムに入っておりますが、この曲はとても重要な場面で流れるんでしょうね。

佐野:ラストに近い場面で流れたらいいな。エンドテロップかなんかと一緒に。

田家:こちらはアルバムでお楽しみいただきましょう。先週のお話でジャック・ケルアックという作家の話が出ました。あの方の代表作が『路上』で、THE COYOTE BANDだと「荒地」です。そういう違いはありそうですか?

佐野:その文脈は、僕の中にはない。

田家:イメージするものは一緒なんですか?

佐野:それらは理屈ではなく、自分の中では音楽で繋がっている。

田家:佐野さんの中で、2000年代という時代のイメージは路上じゃなくて荒地なのかなとも思いました。この話は後ほどお聴きいただこうと思います。

Rolling Stone Japan 編集部

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