スタジオで共に過ごした時間デイヴィッド・リー・ロスのバンドを脱退した日(1989年)――どこから聞きつけたのかは知らないが――エドワードが電話をかけてきた。それが彼との素晴らしい関係と友情の始まりだ。それから約6カ月、文字通りしょっちゅう一緒に過ごして、彼のことをよく知るようになった。
彼のスタジオにも言った。あらゆる音源を聞かせてくれた。彼は絶えず曲を書いたり演奏したりしていた。未発表作品も披露してくれたが、どれもエドワードらしいサウンドだった。「ソロアルバムを出せばいいのに」と言うと、彼はいつもヴァン・ヘイレンの作品が自分にとってはソロ同然だと考えていた。だが、あの時彼が聞かせてくれた曲はとくに素晴らしかった。彼の演奏スタイルの髄が凝縮されていた。
●【画像を見る】若き日のスティーヴ・ヴァイとエディ・ヴァン・ヘイレンギタリストにとってすごく興味深い話がある。俺はハリウッドの自宅で、自分のスタジオで、自前のギター、自前の機材、ペダル、アンプを使っていた。そこへエドワードがやってきた。俺たちはしばらくだらだら話をしていたが、彼が「今取りかかっている曲を聴いてもらえるかい」と言って、俺のギターを取り上げて演奏し始めた。すぐさま、エドワード・ヴァン・ヘイレンらしいと思った。俺らしさはかけらもない。噂の「ブラウンサウンド」だった。誰もが知るエドの特徴が詰まっていた。俺の機材を使っていても、彼のサウンドだったんだ。
土曜の朝は、彼の兄や大勢の仲間といっしょにソフトボールをしに出かけた。すごく楽しかったよ。彼が何か面白いことを言ったのを覚えている。「実は、お前とは仲良くなれないと思ってたんだ」とかそういう内容だった。