エディ・ヴァン・ヘイレンはなぜ偉大なのか? 天才ギタリストが音楽界を席巻した6つの理由

6. 彼はヘヴィメタルを楽しくしてくれた

70年代初頭から中盤にかけての時期には、ヘヴィメタルとハードロックの分野は、たとえばブラック・サバスの陰鬱な挽歌やレッド・ツェッペリンの神秘主義、あるいはディープ・パープルやジューダス・プリーストに代表される、脇目も振らずに突っ走り続ける、男が惚れる男らしさ的な要素によって特徴づけられていた。ヴァン・ヘイレンはだが、ヘヴィメタルを踊れる音楽にしていった。

なるほどデイヴィッド・リー・ロスは、それこそ肩で風切るようなかつてのヴォードヴィル芸人を思わせる芸風で、当然のごとく衆目を集めていた。息子さんの上向き具合を見たことあるのかい?的なあれだ。だが、叩きつけてくると同時にノれてもしまうしなやかなリフを繰り出して曲のサウンドを決定し、軽やかでかつ明るいソロへと自然に雪崩込んでいっていたのはエディの方だ。軽くて明るくてなんてのは、ロックの重々しき翼の下では、こんな形ででもなければむしろ忌み嫌われていた二つの言葉でもあったものである。ラットやモトリー・クルーといったハードロックのグループが、このヴァン・ヘイレンのお祭りバンドぶりをどうにか真似しようとしていたものだが、同じ地平にたどりつけることはなかった。ヘイガー期になってもエディのギターは、よしそれ以上ということまではなかったとしても、ヴァン・ヘイレンという経験にとっては等しく重要な重さを担ったもう一つの声だった。誰もが引き込まれずにはいられなかった。


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From Rolling Stone US.

Translated by Takuya Asakura

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