エディ・ヴァン・ヘイレンはなぜ偉大なのか? 天才ギタリストが音楽界を席巻した6つの理由

エディ・ヴァン・ヘイレン、1979年撮影(Photo by Paul Natkin/Getty Images)


5. 彼は曲そのものもソロと同じように発想した

「暗闇の爆撃」は自ずと湧き上がった奔流で、ピッキングハーモニクスに超早弾きに、タッピング奏法にどこまでも揺れて鳴り止まぬ弦と、もうすでにてんこ盛りだった訳だけれど、そこから先もヴァン・ヘイレンは、インストゥルメンタルの小品において一層の深化を見せていく。

『伝説の爆撃機(VAN HALEN II)』所収の「スパニッシュ・フライ」ではタッピング奏法と超絶光速運指とを、舞台をアコースティックギターに移して実践してみせる。『戒厳令』の「サンデイ・アフタヌーン」では、レッド・ツェッペリンばりの“ミスティ・マウンテン・ジャム”とでも称すべきものをアレックスを相手にキーボードを武器に繰り広げている。『ダイヴァー・ダウン』所収の「大聖堂」は、バイオリン奏法と呼ばれるボリュームの調節によるトリックだ。この手法が彼のギターをまるでキーボードのごとく聴こえさせている訳だが、同曲には古典の風格すらある。同じアルバムの「リトル・ギターズ(イントロ)」はガットギターのための練習曲(エチュード)だ。『F@U#C%K』の「316」は、もしサミー・ヘイガーがヴォーカルを載せていたならばアコースティックのバラードとして仕上がっていたかも知れないが、そのままで十分美しい。

そして『バランス』所収の「バルチテリウム」は、エディが、よし凌駕するまでではないとしても、自身の後を追う形で台頭してきたスティーヴ・ヴァイやジョー・サトリアーニといった、その分野の新たなギターヒーローたちとも同じ程、インストゥルメンタル・ジャズロックの世界をも揺さぶって、切り崩していけるだけのプレイヤーであったことの動かぬ証拠となってもいよう。それ以上に「パナマ」や「ライト・ナウ」といったロックナンバーでは、強度の動きとでも言うべき部分にある種の美が見つかる。しかもエディは、いつだって苦もなくこれらを成し遂げてきたのである。



Translated by Takuya Asakura

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