「俺がロックを救う」マシン・ガン・ケリーがポップ・パンク路線で初の全米1位を達成

マシン・ガン・ケリー(Photo by Nathan James)

マシン・ガン・ケリーの最新アルバム『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』(Tickets To My Downfall)が、ロック・アルバムとしては今年初の全米アルバム・チャート初登場1位を記録。ラッパーとして活動していたMGKによる「ポップ・パンク・アルバム」が快挙を達成した。

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『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』は発売初週、アルバム換算で126000枚の売上を記録し、全米1位が確定。2012年のデビューから昨年までの間に4枚のヒップホップ・アルバムをリリースしたマシン・ガン・ケリーは、4作とも全米TOP10入りするヒットを記録していたものの、首位を獲得したのは今回が初。ラッパーとしてヒップホップのジャンルでメインに音楽活動を続けていたMGKが今回リリースしたのは、ポップ・パンク・アルバムーーいわゆる、ジャンルでいうところの「ロック・アルバム」にカテゴライズされるアルバムだ。ロック・アルバムが最後に全米首位に輝いたのは2019年9月14日付のトゥールの『フィア・イノキュラム』以来初。今回、MGKが約1年1カ月ぶりにロックを全米トップに連れ戻した。

『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』はロック・バンドBlink-182のトラヴィス・バーカーがプロデュースし、楽曲の多くをMGKと共にコライト。MGKは幼少期からパンクやロックが大好きで、Blink-182も少年時代によく聴いていていたという。そして、10年以上前のとある日、Blink-182のライヴを観に行ったMGKがトラヴィスに「今日ライヴ後楽屋に遊びにおいで」と招待されたことがきっかけで、2人の友好関係がスタート。昨年、MGKが精神的に落ち込んでいた時にトラヴィスの自宅を訪ね、気分転換に1曲作ってみたところ次々とアイディアが生まれ、アルバムが一気に完成。そしてアルバム制作やトラヴィスとその期間過ごした思い出や会話により、MGKは元気を取り戻したという。

ヒップホップやダンス・ミュージックなどが音楽のメインストリームになっている昨今、「POP PUNK IS DEAD(ポップ・パンクは死んだ)」や「ROCK IS DEAD(ロックは死んだ)」と言われることが多い中、MGKはアルバム制作中に「俺がポップ・パンクの新時代を創る!」と宣言していた。一見、「ラッパーが初めて作るポップ・パンク・アルバムで何ができるのか」と思われがちだが、MGKは見事、それを有言実行した事になる。

さらに、アルバム発売4日後の9月29日には、突如『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』のデラックス・バージョンをサプライズ・リリース。アルバム本編に加え、6曲が新録された全21曲のアルバムが緊急配信となった。その6曲の中には「body bag」には、新世代ロック・スターと呼ばれるヤングブラッドと、ザ・ユーズドのバート・マクラッケンをフィーチャーし、楽曲ではフォール・アウト・ボーイの代表曲「ダンス、ダンス」にオマージュを捧げている。

これまでずっとヒップホップのジャンルで活躍していたラッパーが、「俺がポップ・パンクの新時代を創る! ロックを救う!」とロック・アルバムを作り、それを全米1位に送り込むとは誰が想像しただろうか。その天真爛漫な性格や発言から、「MGKはビッグ・マウスだ!」「嘘つきだ」とメディアから根拠のないことを色々と言われがちなMGKだが、今回は、見事MGKの勝利だ。“無双状態”なMGKの快進撃に、引き続き注目したい。




マシン・ガン・ケリー
『ティケッツ・トゥ・マイ・ダウンフォール』
試聴・購入:https://umj.lnk.to/MGK_TicketsTo

日本盤CD:10月28日(水)発売予定
歌詞・対訳・解説付 / ボーナス・トラック収録予定

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