Kan Sanoが語るブルーノート、ドナルド・バード、UK新世代ジャズへの共感

 
『Blue Note Re:imagined』とKan Sanoの今後

―『Blue Note Re:imagined』に参加している、UKの新世代についてはどんな印象ですか?

Sano:向こうは音楽教育、ミュージシャンを育てる環境が充実しているという話をいろんな記事で見かけますけど、それが伝わってきますよね。それに今はインディーズが面白いっていうのがよくわかります。松浦さんの『LOVEPLAYDANCE』を日本人のメンバーで作れなかったのは悔しいなと思ってたんですよ。でも、日本人であれが作れたかって考えるとどうかなとも思うので、ロンドンはすごいなって思いましたよ。

―『Blue Note Re:imagined』で取り上げられているカバーの選曲はどうですか?

Sano:ハービーやショーターの周りが多いですね。60年代のハービーやショーターの周辺で、今もロバート・グラスパーが使ってるようなハーモニーみたいなものが出てきているので。それにショーターはメロディがすごくいいから、カバーするのもやり甲斐がありますよね。僕も20歳くらいの頃、ショーターにハマったんですよ。インプロはよくわからなかったけど(笑)、曲がすごく好きで。バークリーでも「ミュージック・オブ・ウェイン・ショーター」っていう、ショーターの曲を分析してみんなで演奏してみる授業を取ってましたから。だから、今の若い人がそういうところを選ぶのはよくわかりますよね。


シーン最注目の5人組、 エズラ・コレクティヴはウェイン・ショーターの67年作『Adam’s Apple』収録より「Footprints」をカバー

―イギリスならではの感じもある気がしますが、そこはどうですか?

Sano:もともとジャズに関しては「自分たちの国の音楽」って意識でもないだろうから、もう少し俯瞰しているし、だからこそやり方が自由ですよね。

―そうなんですよ。カバーなんだけど、プロデューサーやビートメイカーっぽい発想でメロディをサンプリングしているような感覚もあって、原曲と全く違うものになっている。このアルバムで最も原曲に近いカバーをやってるのは、実はSanoさんかもしれません。

Sano:そこをどうしようか迷いましたけど、ボーナストラックだったので、サービス精神も大事かなと思って。みんな自由に作っててすごいですよ。ぶっ飛んでますよね。

―ジャズのプレイリストというよりは、ローファイ・ヒップホップとかジャジー・ヒップホップのプレイリストに入りそうな曲も多いんですよね。トム・ミッシュ&ユセフ・デイズの『What Kinda Music』もブルーノートの作品ですけど、あの感じにも近いというか。

Sano:たしかに。


UK新世代ジャズシーンをまとめたプレイリスト「Jazz UK」

―Sanoさんは以前、トム・ミッシュのツアーで共演されてましたけど、彼はどういう経緯でSanoさんの音楽を知ったんですか?

Sano:お姉さんのローラ・ミッシュから僕の音楽を教えてもらったらしいです。僕がカバーしたロイ・エアーズの「Everybody Loves The Sunshine」を気に入ってくれたみたいで。『Fantastic farewell』を出してた頃にNYのレーベルから7インチのレコードで出したんですよ。この曲は未だに海外からの反響がありますね。

―クラブ系のリエディットがきっかけというのも、イギリスのアーティストっぽい話ですね。最後に、新作を作っているそうですが、現在どんな感じですか?

Sano:ほぼ完成していて、今回も全部一人で作っています。前作の『Ghost Notes』も一人だったんですけど、サウンドはけっこう変わりました。もうちょっとビートが強めになってますね。前作は自分の中で培ってきたネオソウルに区切りをつけるのがコンセプトとしてあったんですけど、その頃からやってみたかったこと、考えていたことが新しいアルバムに反映されている感じ。BPMも90とかじゃなくて、110とかノリやすいテンポの曲が多いですね。ライブだとそっちの方がしっくりくるんですよ。みんなにも早く聴いてほしいです。




V.A.
『Blue Note Re:imagined』
2020年10月2日日本先行発売
試聴・購入:https://va.lnk.to/BN_ReimaginedPR
日本公式HP:https://www.universal-music.co.jp/blue-note-reimagined
Instagram:https://www.instagram.com/bluenotereimagined/


Kan Sano ONEMAN LIVE “PLAY WITH 2020”
※配信チケットのみ販売中

日程:2020年10月4日(日)
時間:17:00 OPEN / 18:00 START
会場:東京・渋谷WWW X
配信チケット:2,000円
購入:https://ori-gami.zaiko.io/e/playwith2020

Kan Sano公式HP:http://kansano.com/
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YouTube:https://www.youtube.com/c/KanSanoOfficial

 
 
 
 

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