INORANが語る「ブルース」の真意

目的などなく好き勝手にやる

―7曲目のアシッドジャズな「’75」はかなり異色ですが、このタイトルは?

なんとなく75年ぐらいの感じで特に意味はないんです。曲調もなんかこういう曲を作りたかったからなんです。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』とか、ルパン三世とか、そういう感じのハードボイルドな曲をこの日に作りたいと思ったんですよ。だからLibertineは放浪みたいな感じなんです。どの楽器を使うかもその時の感じだし、曲も思い付いたものを音にしたし、目的などなく好き勝手にやる感じなんです。



―ある意味バンドよりも自由度は増したとも言える?

そうですね。このアルバムを作るときに、自分の脳内が一番、誰の頭の中より自分の頭の中が世界一広いよなっていう考え方にしちゃったので。移動の制限が加わったことでどこにも行けないから、脳内で旅するしかないんですよね。

―このアルバムの曲、今後ライブでの再現はどうするのですか?

そこまでは考えないで作ってましたけど。でもさっき言ったようにデモテープがそのままになっちゃったんで、デモテープの後にはバンドセッションがある。だからライブをやったら全く別物という感じですね。例えば、チェインスモーカーズって音源では打ち込みなんだけど、ライブではドラムを入れてるように、とか。自由度っていうか楽しみは増してますよ。

―この音源をライブで更に別の次元に昇華させる楽しみがあると?

そうです。例えばギターが入っていない曲では自由に村田(Yukio Murata)さんがギターを弾くとか。もう想像を入れる余地が限りなくあるわけだし、全然違うものになるかもしれない。デペッシュ・モードの「ヴァイオレーター」ってドラムはないんだけど、ライブだと生のドラムでドーンッ、ダダーン!ってなるんですよ。しかもドラム2台だった気がする。それがめっちゃかっこいいんですよ! ああいう世界ですよね。

―楽しみです。ちなみに、このアルバムの曲が4月頭で終わっているっていうことはそこから続きもあるんですか?

何か知ってる風だなぁ(笑)。続きがあって、4月から5月までで作った曲があるんです。けど、これ以上は内緒です(笑)。

―4月から5月って状況が一番ハードな時でしたよね。

そうですね。だから曲がものすごく変化してきます。もうちょいメロウなものになっています。でもメロウなんだけど、明るいっていう不思議な感じです。今まで作ったことのないような曲、たぶん俺のイメージからはないよう曲がたくさんあると思います。けど……これ以上は内緒です(笑)。

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