SKY-HIとSTAMPが語る、日本とタイの音楽カルチャーシーン

ーSTAMPさんは今後タイのカルチャーは今後どういうふうに発展していくべきだと思っていますか?

STAMP:今は珍しいサウンドのバンドが沢山出てきているし、それを支えているファンもいるんですけど、改善できたらと思っているのが、タイではライブハウスで生の演奏をすることがあまりないんですよね。

SKY-HI:そうなんですね?

STMAP:どこかのイベントでやったり、パブとか、レストランでやったりするんですけど、どうしても食べにくる場所なので、音楽を聴く目的で来ているわけではないんですよね。僕は音楽を楽しみたい人が集まる場所が、もっとできたらいいなと思っています。

ーそうした現場がないからこそ、YouTubeなどが発展していったところもあるんですかね?

STAMP:そうかもしれないです。YouTubeで人気になったアーティストは、バーでライブをやってほしいというオファーがいっぱい来るんですけど、そういうところでやると結局メインストリームの音楽に合わせてやらなくちゃいけなくて。自分がやりたい音楽ができなくなる傾向があります。なので、やはりライブハウスのような、自分のやりたい放題できる場所があるといいなって思います。その場でアーティストがグッズやCDを売ることで、レーベルに流されず、自分で考えて自分で稼げる場が生まれるのもいいなと思います。

ーまさにロイヤリティに繋がる話ですね。STAMPさんは積極的に日本のミュージシャンと創作を共にしている印象がありますが、タイのアーティストは海外のリスナーにリーチしたいという発想をしっかり持っていますか?

STAMP:そうですね。ここ3、4年でタイでも英語の曲を作っているバンドが非常に増えていて、そうしたバンド達と話しをしていても、タイに限らず全世界に発信していきたいという人達は多くなっていて。たとえばPhum Viphuritは英語力もありますし、そういうアーティストは増えていますね。



ー一方SKY-HIさんは、日本のカルチャーは今後どういうふうに発展していくと思っていますか?

SKY-HI:Phum Viphuritの名前も出ましたが、アジアにルーツを持つアーティストで、世界中で受け入れられているアーティストが沢山出てきていますよね。アジア系のスターが出やすくなっているのは、自分達にとってもすごくいいことだと思うので、クリエイションを外に出すことを諦めないことですね。アジアの国々のポップスの波及力がものすごいスピードで上がっているということだから、自分達も同じアジアの一員として頑張っていくという意識を持つと、未来が明るく見えるんじゃないかなって思います。あと、もうひとつはよりクリエイションに集中するっていうのが大事になるかなと思います。こういう取材だと、やっぱり“マーケティング”や“ブランディング”っていう単語が出てくるし、それはとても大事なことなんだけど、まずはクリエイションに集中して、高いレベルのクオリティのものを出し続けるチーム作りとか、才能磨きみたいなところを見直すことが日本には必要なんじゃないかなと。

Tag:

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE