SKY-HIとSTAMPが語る、日本とタイの音楽カルチャーシーン

ー逆にSKY-HIさんから見たタイのシーンへの印象はありますか。

SKY-HI:楽しそうだなっていうのがまず1個です(笑)。

ーというと(笑)?

SKY-HI:アジア全般に言えることなんですけど、カルチャーの起こりを感じるというか、良い意味でカルチャーの若さを感じることが多くて。USに近いサウンド感の人もいれば、ファンション性の高い人も多いし、これは他の国では聴いたことがないなって思う旋律の人もいて。すごくいろんなスタイルのラッパーやシンガーが乱立しているなと。実際に音楽がどういうかかり方をしているのか知りたくて昨年タイの街を見に行ったんですけど、前向きな空気を感じました。

ーなるほど。

SKY-HI:僕は東京が好きなので、別に下げたくはないんだけど、目線が下の人が多いし、殺伐とした空気が東京には流れていて、あったかいけど冷たいとところはずっとあるんですよね。そこが魅力だったりはするんだけど、タイは凄く揚々とした空気を感じました。

STAMP:ずっとタイにいるから、それは気づかなかったな(笑)。でも、やっぱりタイの人は明るいとか、あったかいっていうのはよく言われるので、それが国民性なのかなって思います。もしかしたら、気候のせいもあるのかなって思いますが(笑)。ただ、それも短所になるところはあって、日本人みたいな真面目さが足りない感じはします。



ーちなみに、“前向きな空気”というのはどういうところで感じましたか?

SKY-HI:タブーのなさを感じたんですよね。いろんなスタイルを許容する空気というか、日本は「ロックバンドはこうじゃないといけない」、「ヒップホップはこうじゃないといけない」、「アイドルはこうじゃないといけない」っていうのがあって、それはそれで美徳でもあるんだけど、タイではそういうものをあまり感じなかったです。これから大きくなるなって予感がすごくしましたね。

STAMP:タブーが全くないとは言い切れないけど、たとえば2年前にはヒップホップがタイのメインストリームになって。それこそ昔はヒップホップがラジオで流れることもなかったけど、YouTubeなどいろんなプラットフォームが生まれたことで、多くのリスナーにリーチできるようになったかなって思います。

SKY-HI:タイはYouTubeがすごいですよね。今ラジオっていうワードが出てきたけど、テレビとかラジオはどのくらい見られていて、音楽番組はどのくらいありますか?

STAMP:テレビやラジオのクリエイターと話していても、どんどん小さくはなってはいます。子供、もしくはシニアをターゲットとした番組はあるんですけど、若い人はデジタルプラットフォームのほうへ移っていて、YouTubeはまだ大きいんですけど、ちょっとずつSpotifyのようなストリーミング・サービスに移っていっているところもあります。

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