DENIMSが語る、自分だけの「色」や「クセ」を活かす方法

DENIMS(Courtesy of OSAMI studio.)

前作からおよそ1年ぶり、大阪出身の4人組バンドDENIMSによるミニアルバム『more local』がリリースされた。

ファンクやブルース、リズム&ブルースといったブラック・ミュージックを基軸としつつ、あらゆる音楽スタイルをヒップホップ的な手法でハイブリットしてきた彼ら。そんな従来の路線を踏襲しつつも目まぐるしい転調やピアノの導入など新たな挑戦にも果敢に挑み、これまで以上にバラエティ豊かな作品に仕上がっている。

一方、コロナ以降に書いたという釜中健伍/カマチュー(Vo, Gt)の歌詞は、内省的かつ繊細な表現が増えており、オーガニックで躍動的なバンド・アンサンブルと鮮やかなコントラストを描き出している。「自分を愛し認めることができなければ、他者を大切にすることはできない」と、インタビューで語ってくれたカマチュー。コロナ禍で自分自身を見つめ、「イビツさ」や「矛盾」をも認めた先に、彼はどのような光景を見出したのだろうか。

今作から新たなエンジニアとタッグを組み、リード曲「I’m」では朋友クメユウスケ(Special Favorite Music)を迎えたDENIMSの、ソングライティング、サウンドメイキングのこだわりなどについて、カマチューと岡本悠亮/おかゆ(Gt)に話を聞いた。

─今作『more local』のタイトルには、どのような意味が込められているのですか?

カマチュー:タイトルの「ローカル」は、地域的な意味というよりも、精神的な意味での「ローカル」です。自分たちの芯の部分、「色」や「クセ」をより濃くしていこうというか。持っていないものに目を向けるよりも、持っているものを最大限活かす意識で活動していこう、そこから新しいものに挑戦していく自分たちでありたいという気持ちをタイトルに込めました。内側を固めるからこそ、新しいことも大胆にできるんじゃないかなと。例えばリード曲「I’m」でもピアノを導入したり、英語詞を取り入れたりしたのは、そういう意識の表れですね。

─「I’m」は歌詞も、“変な声も廃れた街も思い通りにならない事も 武器にできる術がある”など今おっしゃったことについて歌っていますよね。「できないこと」に目を向けるのではなく、「出来ること」に目を向け追求すれば、ブレイクスルーに繋がるというような。

カマチュー:まさにそうです。例えば、次から次へとすごい才能を持った人たちが現れることに対して「自分はダメだな」なんて悩むこともあったんですよ。でも、コロナ禍になって自分を見つめ直す時間が増えたことで、まずは自分を認めることから始めないとダメだなと。自分を大切にしなければ、家族やメンバーを大切にすることもできないということに気づいたんですよね。

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