周囲の人を救うために今できることは? 世界規模で増えるメンタルヘルスへのアクション

また、自殺対策に関して「ゲートキーパー(Gatekeeper)」という言葉があります。これは「地域や職場、教育、その他様々な分野において、身近な人の自殺のサインに気づき、その人の話を受け止め、必要に応じて専門相談機関につなぐなどの役割が期待される人」のことで、キーワードは「気づき、受け止め、つなぐ」です。東京都福祉保健局のホームページでは、以下のような自殺のサインについて紹介しています。

・感情が不安定になる。突然、涙ぐんだり、落ち着かなくなり、不機嫌で、怒りやイライラを爆発させる。
・これまでの抑うつ的な態度とはうって変わって、不自然なほど明るく振る舞う。
・性格が急に変わったように見える。
・投げやりな態度が目立つ。
・身なりに構わなくなる。
・仕事の業績が急に落ちる。職場を休みがちになる。

これらのサインに気がついたら、その人に声をかけてください。やっとの思いで相談しようと決意した方もいますので「死にたい」と打ち明けられたときに、話をそらしたり、批判的な態度をとったり、常識を押しつけたり、すぐ何らかの助言を与えようとしたり、安易に励ましたりしてはなりません。まずは、ひたすら誠実に相手の言葉に耳を傾け、感情を理解するように務めることが大切です。もし相手が沈黙してしまったら、無理に話をせず、じっくりと待ちます。そして相談機関や医療機関の力も借りましょう。

そして、個人が誰かに助けを求めるということはとても大切なことであると同時に、「助けて」と言えない理由が存在する場合があります。それを乗り越えるためには「助けて」と言えるような、できれば「助けて」と言わなくても自然と助けてもらっているような社会や環境であるべきです。

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