ちゃんみなが魅せた、一発撮りドラマ仕立てのオンラインライブ

彼女は今回のコロナ禍で、一ヶ月ほど何もできない状態にあったという。それまでに決まっていた予定がすべて白紙になり、ある種のパニックに陥り、無気力になってしまった。ステイホーム期間は誰にとっても未曾有の事態ではあったが、彼女にとってはおそらく地獄のような(As Hellな)毎日だったのかもしれない。その先にあるのがこのライブなら、バスタブに一人閉じこもるオープニングから外の世界に出て行く、という流れは、彼女がある種の再生を経験しているのだと解釈することができるかもしれない。

そして、その再生とは、これまで苦楽をともにしてきた仲間たちとともに実現される。カメラが追うのは、プール傍に用意された玉座とその両横で控えるダンサーだ。玉座に座るちゃんみなを中心に二人のダンサーが激しく踊り「Picky」が始まる。目覚めのまどろみのようなゆったりしたオープニングとは一転して、明るい光が画面の隅々まで満ちわたり、肉体が躍動する。「Kill the fake love / Fake friendship」という歌詞には、 地獄にいた頃のまやかしの関係を振り払うような力強さがある。



続いて「ルーシー」が始まり、玉座から移動するちゃんみなをカメラが追うと、画面に映るプールサイドにはまた別のダンサーたちがビーチベッドで控えている。ちゃんみなの黒い衣装に対して、ダンサーたちはカラフルで派手な衣装。世界がどんどん色付いていく。

Rolling Stone Japan 編集部

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