SUGIZOが今だから語る、仲間たちとの出会いと「ライブアルバム」にこだわった理由

清春はステージ上での「種族」が同じ気がする

-SUGIZOさんから見て、清春さんはどんな表現者ですか?

唯一無二の人ですよね。“清春”っていうジャンルがある。もともとはヴィジュアル系の人なのかもしれないけど、とっくにその枠を超えてしまって、僕の感覚で言うと、ロックシンガーの最もカッコいい存在のし方をしている気がします。それは、声も曲も佇まいも歳の重ね方も含め。それに、すごくとんがったイメージがあるけど、本人は至って温厚な人。でも、表現には本当に厳しいから、そこには一切妥協しない。そういう意味ではすごく僕と似ていると思っています。なので、清春といるとすごくシンパシーを感じるんですよね。同志という感じで、余計なことを言わなくても一緒に表現をしたらバチッとベクトルが合う。

【画像】清春と競演するSUGIZO(写真)

-清春さんが言っていたのは、「俺はいろんなステージを立ってきたから誰とやっても負ける気がしないんだけど、SUGIZOさんとやると圧が違うんだよ」って。表現者同士、ステージに立つとスパークするものがあるんでしょうね。

それはRYUICHIとSUGIZOでも言えることで、ヴォーカリストとリードギタリストのぶつかり合いの火花にカッコよさがあるじゃないですか。それってある意味伝統的なロックの美学でもあって、清春とSUGIZOは、その火花のカッコよさを体現できる同士なのかもしれないですね。だから、ステージ上でのぶつかり合いにはすごく戦慄を感じるし、それと同時に溶け合うこともできる。京ちゃんとSUGIZOだと溶け合うのではなく、また別の感覚なんですよね。で、TAKURO・TERUとも僕は人種が違うんですよ。清春はステージ上での種族が同じ気がします。

-3組とも全然色が違うというのは面白いですね。

そうですね。本当にたまたま自分の出自としていたジャンルが近しい仲間で、これだけのメンツが集まれるというのもすごいことなんじゃないかなと思います。

-このコラボレーションはそれぞれクライマックスのひとつだと思いますけど、あとは何と言っても今回本当に音が良いですよね。

ありがとうございます。それはDub(Master X)さんが素晴らしいんです。日本のダブシーンの礎を築いた素晴らしい方であり、僕のライブのPAエンジニアをずっとやってくれている方なんですけど、やっぱり強烈な個性の持ち主で、ただのエンジニアじゃない。1アーティストとして僕はDubさんと表現をしてきているつもりでしたし、この10年ほどのSUGIZOの音楽をライブにおいて作ってくれていたのは、間違いなく彼なんですね。なので、今回ライブアルバムを作るにあたって、その張本人にミックスして欲しくて、お願いしたら喜んで引き受けてくれて。Dubさんが僕のライブで表現しようとしてくれている本当に作りたい音像をそのまま盤に落とし込んでくれたという感じです。

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