SUGIZOが今だから語る、仲間たちとの出会いと「ライブアルバム」にこだわった理由

SUGIZO『SUGIZO 聖誕半世紀祭~HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.~』(Photo by Keiko Tanabe)

9月30日にソロキャリア初となるライブアルバム『LIVE IN TOKYO』をリリースするSUGIZO。昨年の7月7日、8日の2日間にわたり東京・中野サンプラザで開催された自身のBirthday公演『SUGIZO 聖誕半世紀祭~HALF CENTURY ANNIVERSARY FES.~』の様子をそのままパッケージした今作は、ライブの空気感はさることながら、盟友であるミュージシャンとの豪華コラボレーションなども堪能できる贅沢な作品となっている。

たくさんの人に聴いてほしい傑作だが、もしかしたらLUNA SEAでもX JAPANでもない、SUGIZOのソロワークに初めて触れる人にとっては、その音楽性を意外に感じるかもしれない。
今回のインタビューでは、作品のことはもちろん、SUGIZOのソロワークの根幹にあるものや音楽性、今作でコラボレーションしたミュージシャンたちとの歴史についても深く掘り下げた。

-今回、キャリア初のライブアルバムリリースということですが、映像作品が主流となっている今、ライブアルバムって珍しい気がします。それぐらいこの2日間のライブが会心の出来だったと?

もともとライブアルバムを作ることは決めていたんですよ。この聖誕半世紀祭を作品として残したいというスタッフ側からの声があったのと、僕自身、ライブの映像作品というのはずっと出してきていたので、そろそろアプローチを変えたいなと思って。

今の若い世代だと、ライブアルバムってあまり馴染みがない気がするんですよね。YouTubeでもどこでもライブ映像がたやすく観れてしまう時代ですし。でも、僕らが子どもの頃は耽溺しているアーティストのライブ盤ってご褒美だったじゃないですか。例えば僕の場合はYMOやJAPAN、そしてPiL。マイルス(・デイヴィス)や(フランク・)ザッパに関してはライブ盤の方が多かったり。あと、僕は影響を受けてないけどディープ・パープルやピーター・フランプトンもライブ盤が名盤ですよね。そういうアーティストがいて、70~80年代はライブアルバムの存在価値がものすごくあった。その当時の憧れをいまだに持っていて、いずれ自分も形に出来たらなという漠然とした夢があったんです。

-なるほど。作品の内容に触れる前に、SUGIZOさんのソロの基本にある、いわゆるサイケトランスというような音楽との出会いっていつ頃だったんですか?

90年代後半ですね。もともとハードコア・テクノやミニマル・テクノにハマりだしたのは90年代初期で、アンビエントの世界でいうとThe Orbや808 STATEが出始めた頃とか、あの当時のシーンがとても好きで。それから数年後、自分がソロミュージシャンとして活動を始めた頃もヨーロッパのドラムンベースやアブストラクトなヒップホップがすごく熱くて、その辺のクラブカルチャーと音楽にはかなり影響を受けてきて、その後、自然とトランスに傾倒していきました。
たしか初めてレイヴに行ったのが2001年のVision Questだったんですけど、さらにそこからめちゃくちゃハマっていったんです。太陽が昇ると共に踊って、昼間はチルするような、宇宙の流れと音楽が完全にリンクする中に生活があるという感覚に、きっと太古の昔から人類はこういう音楽との付き合い方をしてきたんだと直感したんです。街や都会の音楽じゃなくて、自然に根ざした音楽。原始の音楽というか。そこに自分の音楽に対する大きな価値を見出したんですよね。

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