ボン・ジョヴィ、オジー、エアロに愛されたロック写真家が語る思い出の一枚

物議を醸したオジーのアイロン写真とは?

●マーク・ワイスを撮るオジー・オズボーン(1981年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

これは1981年の彼との初セッション終了後に撮ったやつだ。彼は着ていたジャケットを脱いで俺に手渡し、俺はカメラを彼に預けた。役割を交換したわけだよ。彼とは楽しくやれそうだと思ったけど、実際その通りになったね。


●AC/DCのアンガス・ヤング(1983年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

これは(フロリダにあるHollywood Sportatoriumでの)ショーの直前に撮ったやつで、雑誌の表紙に使われることになってた。俺はバックドロップを用意して、彼はただタバコをふかしてた。撮影を終える直前になって、「手をジャケットの中に入れてみよう」って俺が提案したんだ。彼は俺の意図を汲みかねてたけど、ナポレオンを意識してるんだって伝えると、彼はこうやって右手を掲げた。この独特の表情が学生服とすごくマッチしてるね。


●オジー&エイミー・オズボーン(1984年)
【画像】マーク・ワイスが撮った伝説の写真たち(ギャラリー13点)
Photo by Mark Weiss/Courtesy of Insight Editions

これは1984年の写真で、オジーが娘のエイミーを抱きかかえてる。彼のアルバム『ダイアリー・オブ・ア・マッドマン』のセッション時に撮ったやつだ。(FACE誌の)母の日記念号で使われることになってたんだけど、彼が頭のイカれた主婦に扮するっていうのは、アルバムのコンセプトとも沿ってた。撮影の終盤に差し掛かった時にエイミーがスタジオに入ってきたんだけど、「彼女にも入ってもらおう」って俺が提案したんだ。彼がエイミーにアイロンをかけてる写真もあるよ。あれが公開された時には、いろんな人から「よくそんなことができるな」って言われるたびに、アイロンは本物じゃないから彼女は無事だって説明しなきゃいけなかった。オジーとのセッションで撮った写真はしょっちゅう物議を醸してたよ。

初めて彼を撮影したのは1981年で、Circus誌のカバー写真を俺が撮ることになったんだ。俺は当時21歳かそこらだった。指定されたホテルに行って撮影準備を済ませ、最初はごく普通の服装で撮影してたんだけど、Circusの「Rock & Roll Yearbook」っていう企画にちなんだコンセプトをその場で思いついたんだ。彼はピンクのチュチュを履き、俺が持ってきたボクシングのグローブをはめた。おもしろ半分で撮影を続けながら、彼が俺のことを信用してくれてるのがわかった。それ以来彼の撮影を担当するようになったんだけど、彼はいつも俺の意見を尊重してくれて、おかげですごく自信がついたよ。「満足のいくものが撮れたか? もう少し続けるか?」みたいな感じで、いつも気を遣ってくれた。それでいてカメラを向けると、彼は瞬時にスイッチが入る。初めて会ったその日に、俺たちの間には絆が生まれたんだよ。

Translated by Masaaki Yoshida

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